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ついに人工知能が銀行員に「内定」 IBMワトソン君

 人の言葉を理解する米IBMの認知型コンピューター「ワトソン」。米国生まれで母国語は英語だが猛勉強によって日本語を習得し、三井住友銀行から「内定」を得た。クイズ番組に興じていたワトソン君が、年内にも銀行マンとして日本で働き始める。

■ビッグデータ分析などで質問の答えを導き出す

三井住友銀行はコールセンターでの問い合わせ対応にワトソンを活用する
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三井住友銀行はコールセンターでの問い合わせ対応にワトソンを活用する
 「ATMの手数料を知りたいのですが」。銀行のコールセンターには日々、あいまいな質問が寄せられる。引き出しの手数料か振り込みのことか。キャッシュカードは自行と他行どちらのものか。あるいは他行のATMを使う場合か。条件によって答えは変わる。

 こうしたあいまいな質問にすらすらと答える次世代型のコールセンターが近々誕生する。三井住友銀がオペレーターの応対業務にIBMのワトソンを導入するのだ。

 ワトソンは利用者が入力した文章を自然言語処理の技術で解釈し、ビッグデータ分析などの技術によって質問の答えを導き出す。三井住友銀のオペレーターが顧客から受けた質問をキーボードで入力すると、ワトソンは5つの回答候補を瞬時に出す。回答は確からしい順に、その確率を付けて表示する。オペレーターは候補と確率を参考に、顧客に応答する。

 質問から回答を導くために必要な業務は、ワトソンにあらかじめ読み込ませる。1500項目の質問応答集、表計算ソフトで800シート分の業務マニュアル、過去の質問応答履歴などだ。

 さらに正答率を高めるための工夫を盛り込む。最たる例が「役立ったボタン」。顧客への応答が正しかった場合に該当する回答のボタンを押すと、ワトソンが「この質問に対する答えとしてはこれが正解だった」と学習する。この繰り返しで正答率がさらに高まる。

 回答を絞り込むためのキーワードも設定できるようにした。外貨預金や両替、小切手などを用意。「手数料」という質問にも対象を絞ることで正答率を高められる。

 三井住友銀は2014年9月から12月末までに技術検証を済ませ、実用化の手応えをつかんだ。検証はワトソン君からすれば、いわば入社試験。まず応対スピードをストップウオッチで測定したところ「人間と五分五分だった」(システム統括部の江藤敏宏副部長)。未経験の人よりは早いが、熟練の人には負けることもあった。

ワトソンの日本上陸が本格化している
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ワトソンの日本上陸が本格化している
 正答率はどうか。ワトソンが選んだ5つの回答の中に正答が含まれていた確率は当初70%未満だった。その後「SMBCダイレクト」と「ネットバンク」、「インターネットバンキング」は同じ意味を示すなど専門用語を数千項目ほど読み込ませ、検索時にキーワードを指定できるようにしたら正答率は80%を超えた。「7割がいいところかと思っていたが正直に言って驚いた」と岡知博システム統括部部長代理は振り返る。導入後の学習効果を考えると90%も超えられるのではとの手応えを得た。ワトソン君が銀行の内定をつかんだ瞬間だった。

 江藤副部長は「(経験の浅い人でもベテラン並みのサービスができるなど)顧客対応の標準化と底上げができる」と期待する。オペレーターにも「膨大な資料を調べなくても答えが得られる」などと評判だという。

■銀行のことなら何でも知っている超ベテランに


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 三井住友銀は本格導入に向けてシステム環境を整備中だ。完成次第、兵庫県と福岡県のコールセンターで顧客との実際のやり取りに使い始める。9月に部分導入を始め、来年にも全600席に展開する計画だ。

 三井住友銀がワトソンに想定するのは銀行のことなら何でも知っている超ベテランのスーパー銀行員。将来は店舗の職員から事務処理などの質問に答えたり、法人営業が客先で投資相談に活用したりと構想は広がる。

 渕崎正弘取締役専務執行役員は「将来は融資業務にも使いたい」という。融資の申し込み情報や信用情報に加えて膨大な過去の取引データなどを分析して、職員が融資の可否について判断するための材料を提示する参謀役のイメージだ。

 メガバンクでは、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行もワトソンの導入を進めている。ワトソンを本格導入するには数億円以上かかるとされるが、顧客対応などのサービス品質を引き上げたり人手に頼っていた複雑な業務を効率化したりできるため、投資以上の効果があるとみられる。

三井住友銀行はワトソンの導入を決めた(東京・千代田)
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三井住友銀行はワトソンの導入を決めた(東京・千代田)
 銀行員デビューが目前のワトソン君に、早くも次なる仕事の依頼が舞い込んだ。「日本の保険会社として初めてワトソンを導入する」。日本郵政の西室泰三社長は2月18日の記者会見で、かんぽ生命保険の保険金の支払業務にワトソンを活用すると発表した。

 ワトソンの国内展開で日本IBMと提携したソフトバンクは、予備校と組んで学生の成績などから苦手分野を見つけ出すサービスや、体調がすぐれない時に症状から診察を受ける必要のある診療科目を指南する「家庭の医学」のスマートフォン(スマホ)アプリなどの開発を想定する。

 活用範囲が広がるにつれて得意分野も見えてきた。膨大かつ複雑なルールに基づき、事務処理や質問応答を臨機応変にこなす使い道だ。役所の窓口業務などが想定できる。次は公務員か。名参謀の就職活動は始まったばかりだ。(大和田尚孝)
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ライバルは新型MacBook?Xperia Z4 Tabletは軽量薄型ノートパソコンにもなるタブレットの完成形

2015年3月15日 10時0分 livedoor

ソニー・モバイルは3月にスマホとタブレットの新製品を2機種発表した。残念ながら期待されていたハイスペックスマホ『Xperia Z4』は見送りとなった。しかしその代わりに大きな話題を呼んでいるのが10インチタブレットの『Xperia Z4 Tablet』だ。本製品はソニー製品ならではの魅力が詰まっているだけではなく、ソニーが事業を手放したVAIOのノートパソコンのように使うこともできるのだ。

Xperia Z4 Tabletの最大の特徴はこのクラスで世界最軽量を実現したこと。前モデルの『Xperia Z2 Tablet』は439gグラムだったが、Z4 TabletはWi-Fiモデルが392グラム、LTEモデルが396グラムとさらに軽量化された。あえて「400グラム」という、キリのいい数字を切る軽さの実現はいかにもソニーらしい”こだわり"だ。

ディスプレイ解像度は従来製品から倍増した2560x1600ピクセル、メモリ容量も増えCPU速度も高まった。薄くて軽いだけではなくハイスペックである点もXperia Z4 Tabletの大きな特徴なのだ。また今までのモデル同様、Xperiaスマホの画面をタブレット内にそのまま表示できる。スマホとタブレットをワイヤレスで自在に連携できるこの機能は、スマホユーザーに大変便利な機能だろう。例えばカバンの中にスマホを入れたままでも、タブレットで映画を観ている最中にスマホ画面に切り替えてソーシャルサービスのタイムラインを見る、なんてこともできるのだ。


Xperiaスマホを持っている人はXperia Z4 Tabletを買えば連携も自在だ


とはいえ今やタブレットは多数のメーカーが手掛けており、軽さや機能を求めなければ1万円台で買える製品も多い。そこでソニーは他社との差別化を図るため純正のキーボードを用意した。このキーボードはXperia Z4 Tablet本体とはマグネットでしっかりと接続されるので、本体を持ってもキーボードが簡単にはずれてしまうことはない。

しかもキーボードをドッキングさせると専用のメニューも表示される。キーボードに取り付けたタブレット本体はチルト機構により0度から130度まで自由な位置に固定することが可能だ。
つまり、このキーボードを取り付けると、まるでノートパソコンのようにXperia Z4 Tabletを使うことができるのである。
キーボードには大型のタッチパッドが備えられており、キーボードをドッキングしたその姿はソニーが売却したパソコン事業「VAIO」のノートパソコンのようにも見える。Xperia Z4 Tabletとキーボードのセットを、VAIO代わりに導入する企業も増えるかもしれない。


無線マウスを組み合わせればノートパソコンそのものだ


キーボードの重量は383グラム。Wi-Fi版本体と合わせると775グラムとなる。先日発表されたばかりのアップルの新型ノートパソコン「MacBook」の重量が920グラムだからそれよりも軽い。
もちろんMacBookはフルスペックのパソコンであるし画面サイズも12インチと大きく高性能だ。だがいつでもどこへでも持ち運べ、キーボードで快適な入力ができるという点では両者は同じ方向を向いた製品ともいえる。ソニーファンだけではなく、キーボードが使えるタブレットとして、MacBookではなくXperia Z4 Tabletを選ぶのも悪くはないだろう。

最近は、スマホの大画面化が進んだことで、タブレットを買わずにスマホで動画や電子書籍を楽しむ人も増えている。だが仕事でビジネス文章を作成したり、資料を作ったりするとき、あるいは学校のレポートを書くときなどはしっかりとしたキーボードと大きい画面を備えたノートパソコンのほうが作業効率は格段に高まる。
しかし、Xperia Z4 Tablet+キーボードなら、ノートパソコンよりも軽量で、ノートパソコンに迫る機能まで搭載している。さらにはスマホ画面を表示するなど、スマホと連携できる点はノートパソコンにはない大きなメリットだ。
様々な用途に使える欲張り機能満載のXperia Z4 Tabletは、早くも今年、もっとも注目されるタブレットになりそうだ。


山根康宏
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アップルを「超模倣」 小米、経営手法ごと取り入れ デザイン資本主義(上)

2015/3/13付

 消費社会の成熟とともに製品やサービス、経営にまでデザインの重要度が増している。デザイナーに権限を集中させて莫大な利益を生み出す会社が市場で企業価値を高め、消費者に揺るぎない満足を還元する。米アップル、それを追随する中国の小米(シャオミ)――。「デザイン資本主義」とも呼べる新しい産業のうねりを追う。

 アップルは昨年10~12月の3カ月間で企業として史上最高の2兆円以上の利益をたたき出した。いまや時価総額は90兆円近い。成功の陰で技術革新が止まったと批判されるが、強さを支えるデザイナーたちは水面下では動いている。

■全権を委譲
 9日の腕時計型端末「アップルウオッチ」の発表会。「今度もただの素材じゃないよ」。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、完成品ではなく素材加工のビデオを続けて流した。トップデザイナー、ジョナサン・アイブ上級副社長の意向を反映した演出だ。

 アップルウオッチは、創業者スティーブ・ジョブズ氏の死去以来、新しい物を作れないと批判されたクックCEOが初めて出す新分野の製品。これまでの製品にはない多様なラインアップが話題だが、注目すべきはその「バンド」だ。

 開発者の一人が、繊維に近い曲がる素材を開発する「ソフトグッズ」チームを立ちあげたビリー・スミス氏。米アパレル、パタゴニア出身のウエットスーツの専門家だ。ナイキで肌に密着する超軽量シューズ開発を率いていたベン・シェイファー氏も引き抜いている。

 網目状のステンレスや金合金など、新たな素材を見つけては製造法の実験まで繰り返すアップルにとって、今回の時計用バンドはその一つの用途でしかない。開発に入った電気自動車(EV)の内装、仮想現実感(VR)端末、ヘッドホンなど体に密着する様々な製品の登場を予期させる。

 アップルの巨大組織は20人強の工業デザイナーとそれに続くエンジニアを頂点とする階層構造。ジョブズ氏の死後、クックCEOはまず、アイブ氏にハードだけでなくソフトも束ねる開発の全権を委譲しジョブズ氏が作った組織の原理を極端なまでに徹底させた。

 優れたデザインは必ず模倣される。これを「下からの破壊」だとすれば、それを想定してアップルが編み出したのが「上からの破壊」モデルだ。デザイナーに権限を与え、デザインの力で逆に後発製品の陳腐化を狙う。

■製造法まで
 だが、「模倣者」も進化する。単純に製品デザインをまねるのではなく、製造法や組織づくりまで含めた経営の手法を取り込みつつある。

小米はアップルの製造法や組織作りの手法を取り込みつつある(雷軍CEO)=ロイター
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小米はアップルの製造法や組織作りの手法を取り込みつつある(雷軍CEO)=ロイター
 「盗んでコピーし、新しいものを生み出す苦闘から逃げている」。アップルのアイブ氏が名指しで批判する中国の小米だ。

 アップルにとって不気味なデータがある。ファナックなどの工作機械の中国向け輸出が急増しているのだ。日本工作機械工業会によれば2013年にいったん落ち込んでいた中国からの受注額は14年に倍増した。

 実はこの発注の多くは小米から発注を受けた受託製造サービス(EMS)会社からとみられている。従来スマホの本体の製法は金型で成型した樹脂が主体。工作機械の需要の多くは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業を通じたアップル向けのものだった。

 アップルは宇宙船や高級車に使われていた工作機械を応用してアルミ削り出しのデザインを確立した。小米は単に外観やソフトの見せ方をアップルに似せるだけでなく、基盤となる製造の仕組みまでも徹底的に取り込もうとしている。

 それだけではない。小米の雷軍CEOには脇を固める7人の共同創業者たちがいる。グーグル、マイクロソフト(MS)、モトローラなどでソフトやハードを開発してきたエンジニアや工業デザイナーによって構成される少数精鋭の経営チームだ。2月にはMSなどのデザインを手掛ける中国リゴ・デザインを買収し、アップルの組織構成にも近づきつつある。

 これを単なる「模倣」の延長線ととらえるか。それともアップル自身が確立したデザイン資本主義が波及する大きなうねりの一端なのか。

 後追いする新興企業の潜在力を見誤り、逆転を許す大企業――。クレイトン・クリステンセン・ハーバード大学教授による「イノベーションのジレンマ」はジョブズ氏の愛読書だった。アップルと、新たな敵、小米。両社は全面対決をにらみ静かに準備を進めつつある。

■進出、東南ア優先 知財防衛急ぐ

 小米は2月12日、米サンフランシスコでメディア向けのイベントを開いていた。ヒューゴ・バーラ副社長はウエアラブル端末や家電を米国でもネット販売すると明らかにしたが、スマホやタブレットは含まれなかった。スマホで世界シェア3位まで上り詰めた小米にしてはやけに静かな米国進出だった。

アップルとサムスン電子の特許紛争の舞台となったカリフォルニア州サンノゼにある連邦地裁
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アップルとサムスン電子の特許紛争の舞台となったカリフォルニア州サンノゼにある連邦地裁
 破竹の勢いの小米だが販売は中国偏重。日米欧に派手に出て来ればアップルとの訴訟リスクが高まる。だが、小米の躍進を部品供給面で支えてきた台湾の半導体大手、聯発科技(メディアテック)の謝清江総経理は「賢い人たちがそろっているから知財問題もうまく切り抜けると思うよ」と不敵に笑う。実際、小米は既に動き出している。

 小米のベンチャー投資部門幹部のペン・スン氏は「知財の防衛体制が整うには最低でも数年はかかる。我々の優先順位は欧米より東南アジアやアフリカ。新しい巨大市場に先に挑戦する」と語る。小米は米国では特許を次々に申請し、法律の専門家も雇い始めた。特許の買い取りや知財管理会社との連携も始めた。

 それでも小米は、米で待ち構えるアップルとの直接対決を避けた格好だ。これはアップルがiPhoneのデザインの模倣を巡って4年近くに及び韓国サムスン電子と法廷闘争を続け、一部でデザインの価値を認めさせたことが大きい。

 外観やガラス面の形状、アイコンの配列から、指でタッチパネル画面を快適に操作する微妙な設定までの広範なデザインが知財として認められている。同じような機能を作り上げることができても、製品を支配するデザインは、最後の壁として立ちはだかる。

 デザインの価値を最大化するこうした経営スタイルは英国が産業革命や製造業の衰退を乗り越えるために編み出した資本主義のうねりの一つだ。英政府の試算では2013年にデザインによって生み出された付加価値は30億ポンド(約5500億円)に達する。投資が20倍の売り上げと4倍の利益につながるという。

 アイブ氏を筆頭にアップルを率いる主要なデザイナーの多くは英国で教育を受けている。米国に輸出されたデザイン資本主義をアップルが世界標準に高め、小米がそれを追いかけている。

(シリコンバレー支局 兼松雄一郎)

[日経産業新聞2015年3月13日付]
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携帯・電気セットで割引 東電、ドコモなどと交渉

2015/3/13 2:00日本経済新聞 電子版

 東京電力は携帯電話会社と提携し、通信と電気をセットにした割引販売に乗り出す。月内にNTTドコモなど大手3社と交渉を始め、2016年度から開始する。買い物に使える共通ポイントの導入も検討する。16年4月からの家庭向けの電力小売り自由化で、新規事業者との競合が激しくなる。管内の契約維持だけでなく全国で「越境供給」するためにも、異業種との連携で割安感を打ち出す。

 東電は近くKDDI(au)とソフトバン…
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急速に“距離”縮める日独 メルケル首相来日

2015年3月9日 21時43分 産経新聞

 安倍晋三首相はメルケル独首相を約7年ぶりに日本に迎え、日独関係の強化を確認した。

 アジア外交で中国に傾斜していたドイツと日本は“疎遠”な関係にあったが、ウクライナ危機などを受けて両国の「距離」は縮まりつつある。しかし首脳会談の“場外”でメルケル氏が原発政策をめぐり日本を牽制(けんせい)するなど、「実利的関係」の域を超えられない両国の現実も浮かび上がらせた。

 メルケル氏の来日は首相就任約10年で3回目。7回訪れた中国と比べ、日本への足は遠のいていた。政権交代が頻繁に続いた日本側の国内事情などが疎遠の要因とされてきた。

 メルケル政権は一昨年末、対日関係をアジア外交の「最重要の支柱」と位置づけた。南シナ海で強引な海洋進出をもくろむ中国への警戒が背景にあるとされる。また、昨年3月のロシアのクリミア半島併合によるウクライナ危機を受け、民主的価値観を共有する日本との連携の必要も高まったようだ。

 昨年4月に訪独した安倍首相は首脳会談で、女子サッカーファンのメルケル氏に日本代表「なでしこジャパン」のユニホームを贈った。メルケル氏も同年10月のイタリアでのアジア欧州会議(ASEM)首脳会議の直前、安倍首相に駆け寄って声をかけるなど良好関係を演出した。両首脳は昨年、電話を含め計5回の会談をこなしている。

 外務省幹部は「長期安定政権を担い得るリーダーが腹を据えて意見交換した意義は大きい」と語る。国際社会の懸案である過激組織「イスラム国」対策や、日独が目指す国連安全保障理事会改革をめぐる共闘も両国の接着剤となっている。

 一方で、メルケル氏は9日、都内で講演後、日本が歴史問題で中国や韓国と対立していることに関し、ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の歴史を背負うドイツが「過去ときちんと向き合った」ことで国際社会に受け入れられたとの考えを示した。

 また、ドイツが東京電力福島第1原発事故を受け、脱原発を決めたことも強調するなど日本との“崩せない壁”をにじませ、ドライな日独関係を印象づけた。

産経新聞
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金融IT「フィンテック」を狙え  編集委員 関口和一

2015/3/8 7:00

 メディアなどで最近「フィンテック」という言葉をよく耳にします。「ファイナンス・テクノロジー」すなわち金融とIT(情報技術)との融合による新しい技術革新のことを指します。金融バブル時代にもデリバティブ(金融派生商品)などを生み出した「金融工学」が話題となりましたが、今回はいったい何が違うのでしょうか。フィンテックが生まれた背景や新技術がもたらす新しい可能性について探ってみたいと思います。

米グーグルはスマホに「グーグルウォレット」を標準搭載するよう米大手通信会社と提携した=AP
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米グーグルはスマホに「グーグルウォレット」を標準搭載するよう米大手通信会社と提携した=AP
 フィンテックという言葉が日本経済新聞に登場したのは昨年くらいからですが、米国の金融専門誌などでは「フィンテック100」といった金融IT企業ランキングなどがしばらく前からありました。2012年にロンドン五輪を開催した英国では、跡地にベンチャー企業を誘致して新しい「テックシティー」を育てようとしており、その重要な技術分野の一つがフィンテックでした。最近ではこうした金融分野のスタートアップ企業をフィンテックと呼ぶこともあります。

■大手IT企業や金融機関も参入

 その代表的な企業がスマートフォン(スマホ)決済サービスの米スクエアです。米ツイッターの創業者、ジャック・ドーシー氏が興した2つめのベンチャー企業として注目を浴びました。ほかにもインターネットを使って国際的な送金業務を営む米リップルラボやインターネットを使った小口融資を行う米レンディングクラブなど、様々なベンチャー企業が金融分野で次から次へと生まれています。

 その背景には個人同士を結びつけるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、大量の情報を集積できるクラウドコンピューティング、そして様々な電子決済などを簡単に手元でできるスマホの登場などが見逃せません。金融工学は金融機関が様々な金融商品を開発するためのプロの技術でしたが、フィンテックは一般の消費者が便利に使える新しい金融技術革新といえるでしょう。

関口和一(せきぐち・わいち) 82年日本経済新聞社入社。ハーバード大学フルブライト客員研究員、ワシントン支局特派員などを経て現在、企業報道部編集委員兼論説委員。主に情報通信分野を担当。法政大学大学院、国際大学グローコムの客員教授を兼務。NHK国際放送の解説者も務めた。著書に「パソコン革命の旗手たち」「情報探索術」など。
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関口和一(せきぐち・わいち) 82年日本経済新聞社入社。ハーバード大学フルブライト客員研究員、ワシントン支局特派員などを経て現在、企業報道部編集委員兼論説委員。主に情報通信分野を担当。法政大学大学院、国際大学グローコムの客員教授を兼務。NHK国際放送の解説者も務めた。著書に「パソコン革命の旗手たち」「情報探索術」など。
 フィンテックを先導しているのは米国の新興企業ですが、最近は大手のIT企業や金融機関などもこの市場に参入し始めています。リップルラボは米検索大手、グーグルの出資を受ける一方、米地方銀行のCBWバンクや独ネット銀行のフィドールなどに決済技術を提供しています。グーグルは「グーグルウォレット」と呼ばれるスマホ向けの決済アプリをスマホに標準搭載するようAT&Tなど米大手通信会社と提携しました。また米アップルは昨年秋から「アップルペイ」と呼ばれる近距離通信技術を使ったネット決済サービスを始めています。

 フィンテックの技術は電子決済のほか、融資や預金といった分野にも及んでいます。共通していえることは、大手の金融機関やクレジットカード会社が提供する従来の仕組みより、廉価でスピーディーに様々な金融取引が行えることです。大手銀行など既存の金融機関がフィンテックの重要性に目覚めたのも、このままでは本業を新興勢力に奪われかねないと思ったからでしょう。米アクセンチュアによると、金融分野への技術開発投資は、08年の9億3000万ドルから13年には29億7000万ドルへと3倍以上にも膨らんでいるそうです。

 コストの安い電子決済手段といえば、我々の記憶に新しいのが「ビットコイン」です。日本では大手取引所のマウントゴックスの経営破綻を受け、ビットコインの存在自体が忘れ去られようとしています。しかし、米国や中国などではその後もビットコインは増殖を続け、関連ベンチャー企業の進出が後を絶ちません。昨年1月に設立された仮想通貨の米プラットフォーム会社、ビットネット・テクノロジーズもその一社です。共同創業者のジョン・マクドネル最高経営責任者(CEO)は米VISAインターナショナルなどで20年以上にわたり決済業務に携わってきた人ですが、「ビットコインなど仮想通貨の利用は今後も着実に広がっていく」と太鼓判を押しています。その背景には、送金コストの高さや処理時間の長さなど既存の金融システムの非効率性に対する消費者の不満があるからです。

■アフリカや中国でも

 フィンテックの動きは先進国以外の国でも加速しています。アフリカのサファリコムが提供する携帯電話による送金サービス「Mペサ」も、仕組みは簡単ですが、金融とITとの融合といえるでしょう。日本のLINE(ライン)と似たメッセージサービス「微信=WeChat(ウィーチャット)」を手掛ける中国の大手ネット企業、騰訊控股(テンセント)が昨年の旧正月から始めた個人間の送金サービス「微信紅包」も、フィンテックと呼べる新しい金融サービスです。

 「紅包(ホンパオ)」は中国語で「お年玉」を意味します。日本と同じように中国でも正月に大人が子供にお小遣いをあげる習慣があるそうです。そこでテンセントがウィーチャットのメッセージにQRコードを使って現金を送れる仕組みをつくったところ、その簡便さが人気を呼び、一気に2億人以上のユーザーが集まったそうです。抽選で金額が増えるといったゲーム性を持ち込んだ点も話題を呼ぶ一因となりました。ウィーチャットの顧客数は約6億人といわれていますので、アクティブユーザーのかなりの部分がこの電子決済サービスに参加したことになります。

 こうしたフィンテックを巡る世界の動きに対し、日本の金融当局もようやく重い腰を上げました。金融庁は3月初め、首相の諮問機関である金融審議会で金融持ち株会社に対する規制を緩める方針を示し、決済など金融事業にかかわるIT企業などを傘下に収められるようにする考えです。金融システムの安定性を維持する狙いから、日本ではこれまで金融機関は業務範囲を厳しく限定されてきました。しかし、世界のフィンテックの流れに取り残されないようにするためには、大手の銀行なども金融とITとの融合を進められるようにしようというわけです。金融庁は年内にも具体的な緩和策をまとめ、来年の国会に新法を提出する方向で準備を進めています。

 金融当局の変化を受け、民間企業にも新たな動きが出てきました。その一つが2月下旬に楽天が東京都内で開催した「楽天金融カンファレンス」です。大手金融機関の経営幹部から金融ベンチャー企業の経営者、金融当局の責任者など約1000人が集まりました。主催者の三木谷浩史楽天会長兼社長は「電子商取引に続き、金融分野でもIT革命を起こしたい」と語り、大企業組織による日本の非効率的な金融システムに風穴を開ける姿勢を見せていたのが印象的でした。ビットコインについても近く楽天で使えるようにするそうです。三木谷氏はもともと銀行の出身だけに、フィンテックの広がりに大きな期待を抱いている様子でした。

 この会議で三木谷氏との対談相手を務めたのが米決済ベンチャー企業、ペイパルの創業者、ピーター・ティール氏です。インターネットを使った決済手段には「サイバーキャッシュ」や「デジキャッシュ」などの先例がありますが、実際に成功したのは、1998年に創業したペイパルが第1号だといえます。まさにフィンテックの先駆けにあたるわけですが、ティール氏はフィンテックに限らず「ベンチャー経営で成功するには、誰もやったことがない新しい技術革新を促し、そこで独占的な地位を築くことが大事だ」と強調していました。

 ティール氏がそうしたベンチャー経営の心得を本にまとめたのが「0to1(ゼロ・トゥ・ワン)」という最近の著書です。すでにある技術を広めていく「1to n(ワン・トゥ・エヌ)」の企業よりも、何もないところから新しい価値を生み出す「0to1」の企業を目指すべきだというわけです。ペイパルは当時、最大の顧客だった米ネット競売大手のイーベイに2002年に買収されましたが、その創業メンバーたちはまたそれぞれ別の企業を興し、成功に導いています。


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 その中でも日本で有名なのが米電気自動車ベンチャーの「テスラ・モーターズ」を立ち上げたイーロン・マスク氏です。ほかにもSNSの「リンクトイン」を創業したリード・ホフマン氏や、動画投稿サイトの「ユーチューブ」を始めたスティーブ・チェン氏など、多くの起業家がペイパルから巣立っています。米シリコンバレーでは彼らのことを「ペイパル・マフィア」と呼んでいますが、そうした起業家精神の連鎖が技術革新を促し、フィンテックのような新しいIT革命の起爆剤になっているといえるでしょう。

 日本にもかつては携帯情報配信サービスの「iモード」やフィンテックの原型ともいえる電子決済サービス「おサイフケータイ」など新しい技術が生まれた時期がありました。しかし国内市場で成功したことから、海外市場への展開が進まず、結果的にガラパゴスと呼ばれる閉鎖的な技術になってしまったことは周知の通りです。しかし最近はまた、ベリトランスなど国内外で活躍する金融ベンチャー企業が日本にも出てくるようになりました。

 2020年に東京五輪が開催されることが決まり、海外から多くの人々が日本に訪れることになりました。つまり、日本への関心が高まる中、日本の技術力を再び示すチャンスがやってきたといえます。その意味では、金融という保守的で閉鎖的な市場に新しい技術革新を持ち込むことが日本のイメージを一新する大きなきっかけとなるに違いありません。そして古い体質を持った日本の金融機関もグローバルなネット市場で活躍する新しいプレーヤーへと生まれかわる必要があります。フィンテックへの対応はまさにその試金石といえるでしょう。
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ドコモも懸念 “聖域”踏み込むApple SIMの足音

2015/3/2 7:00日本経済新聞 電子版

 格安スマートフォンのブームによって、目にする機会が増えてきたSIMカード。これまでモバイル事業者が特権的に扱ってきたSIMカードが、他の事業者によって侵食される可能性が出てきた。既にアップルは新型iPadで、通信事業者を自由に選べる「Apple SIM」と呼ぶ仕組みを導入。ドコモをはじめとするモバイル事業者は警戒感を強めている。

 日本では第3世代携帯電話サービスの開始に伴って2000年代前半から、SIMカードの本格的な活用が始まった。「SIMカードは携帯電話事業者とユーザーの接点を最も強固につなぐもの。我々にとって非常に重要な存在」(KDDI 商品統括本部プロダクト企画本部の相澤忠之プロダクト企画2部長)と語るように、SIMカードはモバイル事業者のビジネスの根幹をなす重要な役割を担っている(図1)。

■SIMカードはモバイル事業者の“聖域”

 第一にSIMカードは、モバイルサービスを提供するうえで欠かせないネットワーク認証を支える。SIMカードに記録されている「IMSI」(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる15桁の識別番号が、携帯コア網の加入者データベース(HLR、HSS)の認証に使われているからだ。

 顧客を拡大するのに欠かせないユーザーへの多額の販売奨励金も、SIMカードがその一端を担う。特定の事業者のネットワークしか利用できないように端末にSIMロックを施すことで、獲得したユーザーが短期的に解約できないように契約ユーザーを囲い込んでいるからだ。さらにSIMカードはモバイルコンテンツの認証に利用される場合もある。

 そんなSIMカードは、モバイル事業者の“聖域”として、誰もが踏み込めない存在だった。約款上、SIMカードはモバイル事業者の持ち物であり、ユーザーに貸与する形態となっている。これはSIMカードに記録されているIMSIや電話番号(MSISDN)が、規制当局から主に設備を保有するモバイル事業者に割り当てられるためだ。

 海外では、ネットワークの設備や運用をベンダーにアウトソースしているモバイル事業者も多い。こうした事業者にとっては、周波数のライセンスとSIMの発行こそが、事業者としてのアイデンティティーそのものとなる。

■関係者に衝撃を与えたApple SIM

 このようなモバイル事業者にとっての“聖域”が、急激な環境変化によって侵食されつつある(図2)。SIMカードという砦に守られたエコシステムが決壊すれば、モバイルビジネスが根底から覆ってしまう。

 一つは米アップルが新型iPadの発売に合わせて、2014年10月から米国内で投入した「Apple SIM」。これまでにはなかった、端末上で複数の事業者の契約を選択可能なSIMである。

 A.T.カーニーの吉川尚宏パートナーはApple SIMについて、「同一国内の複数の事業者を切り替えられるようにしてきた点がサプライズだった」と話す。

 Apple SIMでは、米国内の米ベライゾンを除く大手3事業者、米AT&T、米スプリント、米T-モバイルUSのネットワークを選択できる。同一国内のモバイル事業者を簡単に切り替えるようにする仕組みは、顧客流出リスクが大きく、モバイル事業者は避けたいはずである。それをアップルはあっさりと実現してしまった。

 このApple SIMと同様に、後からSIMのプロファイルを書き換え可能な仕組みとして、通信事業者の業界団体であるGSMAは「eSIM」(Embedded SIM)の仕様を策定している。ただこちらはM2M(Machine to Machine)分野において、特に国際間の事業者の切り替えにフォーカスした仕様となる。モバイル事業者にとって、それほど大きなビジネス上のデメリットは生じない。

 一方、Apple SIMによる同一国内の事業者の切り替えの影響は甚大だ。長期的には端末メーカーが主体となり、モバイル事業者を“土管化”する動きにつながりかねない。

■MVNOが独自のSIMを発行する意味

 続く環境変化として、国内で2015年5月以降に発売される端末に対してSIMロック解除の義務化がスタートする点も挙げられる。これによって、端末とネットワークがほぼ一体的に提供されてきた日本のモバイルビジネスは転換期を迎える。

 総務省はMVNO(仮想移動体通信事業者)のさらなる促進も図る。今後、MVNOが独自の加入者データベースを持つことや、これまでは制度上不可能だったMVNOへの電話番号(MSISDN)の直接付与を検討していく予定だ。

 MVNOへの加入者データベースの開放や直接の電話番号の付与は、MVNOサービスの多様化や低廉化をもたらす。例えば、MVNOが複数のモバイル事業者のネットワークを適材適所で使い分けてサービスを提供することが可能になる。

 一方でモバイル事業者にとっては、これも“聖域”を侵食する動きになる。実現すれば、MVNOが独自のSIMカードを発行できるからだ。SIMカードというモバイル事業者にとってのアインデンティティーが奪われれば、あとは土管としてのネットワークしか残らない。

 昨今、開発が進む「SIMのソフト化」も、モバイルビジネスの土台を揺るがす動きとなる。ソフト化されたSIMは、差し替え可能な物理的なICカードではなく、端末内のセキュリティーモジュールなどに書き込まれる。

 セキュリティーモジュールをコントロールするための機能がボトルネック化し、SIMを制御する主導権が、モバイル事業者ではなく端末メーカーなどへ移り変わっていく可能性がある。アップルはこのようなSIMの“バーチャル化”の取り組みを進めており、特許を取得したことも判明している。

■主従逆転、アップルがキャリアを“売る”

 SIMを取り巻く急激な環境変化、そして相次ぐ“聖域”の決壊――。このような動きがモバイルビジネスのエコシステムに与える影響について、情報通信総合研究所の岸田重行グローバル研究グループ上席主任研究員は「これまでモバイル事業者を中心としていたエコシステムの主従が逆転する可能性がある」と指摘する。

 例えばApple SIMのモデルを考えてみよう(図3)。従来は各モバイル事業者が、自社のネットワークに対応したアップル製品をそれぞれ販売していた。モバイル事業者がアップル製品を売ることで、ユーザーとの接点を直接築いていたわけだ。

図3 アップルがモバイル事業者を売る時代に モバイル事業者がアップル製品を売る時代から大きく変わろうとしている
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図3 アップルがモバイル事業者を売る時代に モバイル事業者がアップル製品を売る時代から大きく変わろうとしている
 それがApple SIMのモデルでは逆転する。ユーザーはアップル製品からモバイル事業者を選択する。すなわちアップルがモバイル事業者のネットワークを販売する形になる。ユーザーとの接点はアップルが握り、ネットワークは二義的な存在でしかなくなる。モバイル事業者の市場に対する影響力や主導権は薄れていく。

 実はNTTドコモは2011年の段階で、これらの懸念を予測していた。当時総務省で開催された会合に提出した意見書にて、海外巨大プレーヤーがHLRといった加入者データベースを所有し、独自のSIMカードを発行してMVNO参入した場合、モバイル事業者に代わってこれらのプレーヤーが顧客フロントに立つシナリオを示していた。

 それに伴って同社ネットワークの土管化が一気に進展し、「2015年の営業収益は6500億円の減少となり、2500万回線がダムパイプ化する」と訴えた。

 NTTドコモが当時抱いていた懸念は、若干形態は異なるもののApple SIMとして現実化した。あとは日本国内でApple SIMが提供されるかどうかという局面まで迫っている。

(日経コミュニケーション 堀越功)

[日経コミュニケーション2015年2月号の記事を基に再構成]
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