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NTT民営化は成功だったのか… 経営トップ3名に通信自由化を聞く

2015.4.30 06:34

【通信大競争 30年攻防の行方】(9)

 NTT民営化後の30年でわが国のICT(情報通信技術)市場は大きく発展し、世界に類を見ない光ファイバー網やモバイルブロードバンド(高速大容量)など先進的な通信環境を実現した。しかし、ICTの利活用では立ち遅れが目立ち、サービスや製品開発力の国際競争力は危機的状況ともいえる。連載では、通信自由化後に競争を導入し、事業を立ち上げた当事者の取材を通じて苦闘や課題を探ってきた。民営化されたNTT、巨大企業に成長したKDDI、インターネット事業に先鞭(せんべん)をつけたインターネットイニシアティブ(IIJ)の経営トップにそれぞれの通信自由化を聞いた。

 □鵜浦博夫・NTT社長

 ■市場の変化に対応できた

 --NTT分社以来、最大の機能再編となる光サービス卸が曲折の末にスタートした

 「10年以上、NTTも総務省も光回線が通信サービスのメーンという発想だった。一言でいうと、メーンプレーヤーが光回線を使うお手伝いに徹するということだ。産業界に化学反応を起こす触媒役を担う」

 --規制会社から規制の緩い会社への事業シフトになる

 「NTT東西地域会社は規制でモバイル事業がやれない。NTTドコモの競争力が低下するなかで、ドコモだけ固定・携帯の一体サービスができないのはおかしい。光サービス卸によってドコモのシームレス(つなぎ目のない)サービスに道を開いた」

--触媒役のNTTのうまみは

 「法人向け事業にシフトするNTT東西は“BツーBツーX”のビジネスになるが、Xは行政や地場産業や観光などさまざまだ。新しいサービスが生まれればクラウドなどのビジネスモデルで稼げる」

 --「新しいサービス」は容易に生まれるのか

 「ICT分野の新サービスは既存のエコシステム(市場構造)では難しい。岩盤のようなエコシステムがある日本では、コラボレーション(協業)しかない。破壊ではなく、うまく塗り替えるような。米国式でない共存型ビジネスモデルは、アジアなど新興国でその国の多様なエコシステムに対応できる。東京五輪や政府の地方創生政策はいい機会になる」

 --東京五輪では通信環境の整備やセキュリティーが大きな課題だ

 「競技会場や鉄道などで通信環境の標準化が必要だ。ゴールドパートナーとして約20カ所の競技会場で通信設備を構築する権利があるため、仲間作りをして統一した環境を整える。セキュリティーでもコラボしないと脆弱(ぜいじゃく)な部分から破られる。日本式の共存型ビジネスモデルを作る契機にしないといけない」

 --民営化30年をどうみてきたのか

 「局面、局面で苦労はしたが、5兆円の売り上げが市場全体の半分の11兆円に増えたのだから、民営化は成功といえる。市場の大きな変化にかなり対応できているのではないか」

□小野寺正KDDI会長

 ■ドコモの「光」販売は利益相反

 --NTT民営化後、通信市場は大きく成長した

 「通信業界の競争政策は本当に国民が望んでスタートしたのだろうか。国鉄民営化のように、国民が『NTTは民営化しないと駄目だ』と考えていたら競争政策の必要性が理解されやすかった。日本電信電話公社のサービスが悪かったわけではなく、政治主導で民営化が決まった。それを受けた郵政省(現総務省)が競争導入で一枚岩だったかどうかは疑問だ」

 --NTT民営化とほぼ同時に退職して第二電電(DDI=現KDDI)に入社した

 「当時の電電公社内は真藤恒総裁以外、民営化には反対だった。真藤さんはNTTを地域分割すべきだという考えがあったが、郵政省にそこまでの意識があったわけではない。社内では私も含めて、民営化されると役所と力関係が変わり官僚が事業に介入してくるという危惧があった」

 「1983年にNTTの先輩で先にDDIに入った千本倖生さんに誘われたとき、計画していたマイクロ波による基幹網構築を『全部任せてくれるなら』という条件で転職を決めた。翌年の連休明けに私を含めてNTTの技術系社員5人が同時に辞表を出したので社内は大騒ぎになった」

 --NTTグループが光回線を企業に開放し、新サービス創出の触媒役を目指すという

 「私はNTT分社直後の2000年にNTTのアクセス系光回線を開放すべきだと主張した。NTTが始めた光サービス卸はそれに近いことだ。光回線の重要性は大きくなっていく。KDDIの光サービスの通信速度は2ギガビットだが、そのうち10ギガビットになる。4Kの高精細動画の端末が普及すれば光回線の必要性がさらに高まる」

--NTTの持ち株会社体制は競争環境に合わなくなった

 「NTT分社時に東西地域会社間の競争が導入されたが実効はなかった。持ち株会社がNTT東とNTT西の株をある程度売却して他の通信事業者との提携や合併を促す“触媒”になるべきだった。KDDIはNTT東との合併の可能性を考えていた。携帯電話事業者のNTTドコモが販売目標を設定してまで『ドコモ光』を売るのは、株主にとっては利益相反だ。親子上場のガバナンス(統治)上、大きな問題といえる」

 □ネットワーク基幹網大容量化

 ■鈴木幸一IIJ会長

 --通信自由化後、日本でインターネット事業を始めた

 「行政は『カネのないやつが通信事業をやるとは何事か』と考えていた。日本では(大資本の)通信事業者がつぶれたことはなかった。私はクロスウェイブコミュニケーションズ(CWC)をつぶしてしまったが、第一種通信事業者初の倒産だった」

 --自由化後の新規参入事業者をどうみていたのか

 「自由化はいいが、同じサービスでどんな競争ができるのかと思っていた。違う技術で競争するなら面白いが、同じ電話サービスしかできないなら競争にならない。巨大なNTTとどう勝負するつもりなのかわからなかった」

 --1992年にインターネットイニシアティブ(IIJ)を設立したが、郵政省(現総務省)との折衝に苦労した

 「村井純さん(慶大環境情報学部教授)から『資金はあるから』と誘われたけれど、一銭もなくて、結局、私財まで投じるはめになった。当時は文部省や科学技術庁(現文部科学省)が国家予算で研究ネットワークを構築していた関係で学者がインターネットを毛嫌いして、それが郵政省の判断にも影響を及ぼしたのかもしれない。郵政省からは『3年間無収入でも倒産しない資金力』という内規があると言われて、そんな金はないから困った」

 --国を相手にけんかしてまで日本初のインターネット事業にこだわった

 「私が一番貧乏くじを引いたが、なんとしても成功させたかった。でも、自己破産しそうになって、当時の郵政省官房長官に直談判した。行政訴訟を口にしたのが効いたかもしれない。幅広い企業に1500万円ずつ出資してもらう条件でようやく認めてもらった」

 --“打倒NTT”と言ってきたが、CWCが倒産して最終的にはNTTの出資を受けて経営再建した

 「電話からインターネットへ、という思いから『打倒NTT』だった。NTTが経営に口を挟むことはないし、財務的にはほとんど無借金に近い。ネットワーク関連に投資しており、今後は基幹網を100ギガビットに大容量化したり、放送を取り込みたい」=おわり(この連載は芳賀由明が担当しました)
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安藤優子が夕方番組最終日に号泣 報道フロア騒然、拍手発生

NEWS ポストセブン 4月29日(水)7時6分配信

 この春、大型改編を行なったフジテレビ。一番の目玉は、看板番組『スーパーニュース』の顔だった安藤優子(56)が夕方ニュースを卒業、昼2時台のワイドショー『直撃LIVEグッディ!』のMCへと“異動”したことだ。

 3月27日の『スーパーニュース』最終日、オンエア中は終始笑顔だった安藤だが、スタジオを出て報道フロアに入ると、人目もはばからず号泣したという。

「いつも冷静沈着で“鉄仮面”というあだ名もあった安藤さんの涙に、一時フロアは騒然となり、同時に拍手が起こりました。

 その後の送迎パーティには、なんと滝川クリステル(37)も登場。2人で仲良くヒソヒソ話をしていました。

 かつて『新報道プレミアA』で共演していたとはいえ、それほど深い結びつきだったとは意外。安藤さんの人脈の強固さを感じる1日でした」(フジ報道関係者)

 しかし安藤の新番組『グッディ!』は4月20日に視聴率1%台を記録するなど超低空飛行。打倒『ミヤネ屋』(日本テレビ系)は夢のまた夢という厳しい状況だ。

※週刊ポスト2015年5月8・15日号
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「トップバリュやめようか」…イオン挫折、出直しへ

2015/4/29 6:30日本経済新聞 電子版

 「もう、『トップバリュ』というブランドなんて、やめてしまおうか」――3期連続で営業減益となったイオン。2014年後半、岡田元也社長は幹部に対し、そんな弱音をはいたという。総合スーパー事業は前期、赤字に沈んだ。商品力の低下で、客離れが止まらない。中央集権で追い求めた規模を「解体」し、売り場からの「再生」にかける。

【自滅】 止まらない客離れ

(イラスト:亀川秀樹)
(イラスト:亀川秀樹)
 「かつて、イオンを恐れていた地方スーパーも、最近では『イオンは自滅している』となめている」

 地方スーパーと取引のある卸関係者は、こう打ち明ける。売上高7兆円を上回る日本最大の小売企業、イオン。全国に総合スーパーを約600店舗を展開し、行く先々で地元スーパーや商店街をなぎ倒してきた巨大企業が今、わずか数百億円規模の地元スーパー相手に苦戦を強いられている。

 2015年4月上旬の冷たい雨が降りしきる朝。高松市内にあるスーパーに、客がひっきりなしに訪れていた。

 新鮮市場きむら林店。四国で今、急速に勢力を伸ばすスーパー、新鮮市場きむらが2014年6月に出した大型店だ。

 コンクリート打ちっぱなしの床には、鮮魚の入った発泡スチロールが所狭しと並んでいる。地元のメイタガレイは発泡スチロール1箱で380円。水槽にはイセエビが泳ぐ。

 店全体を見渡せば、品ぞろえが十分とは言い難い。それでも客が集まるのは、「安くて質がいい」と評判の生鮮品がそろうためだ。2014年度の売上高は145億円と小規模だが、5年で7割も増えている。

 四国ではここ数年、同じように中国・四国地方のスーパーが続々と出店攻勢に乗り出している。深刻な少子高齢化に直面するこの地で、なぜ新店が増えるのか。その背景には、四国で長らく王者として君臨してきた、高松発祥のマルナカの転落劇があった。

■“イオン化”で失墜したマルナカ

 マルナカ単体の売上高は、およそ2000億円(2009年度)。地元スーパー2位のマルヨシセンターの約420億円(2014年度)と比べても、規模の差は大きい。

 マルナカは、地元の農家や漁業協同組合などと強力なパイプを築き、新鮮な生鮮品をどこよりも安く仕入れてきた。目玉とするダイコンやハクサイ、キャベツ、レタスなどを目当てに、地元の青果店が“仕入れ”に訪れる。プロまで頼る安さと鮮度は、四国随一と評判だった。

 だが、ある時からその勢いが衰える。2011年、イオンがマルナカを傘下に収めたことがきっかけだった。

 既にその頃、四国には、イズミやハローズといった競合が中国地方から続々と上陸し、競争は激化していた。

 マルナカがイオンと資本業務提携したのも、イオンの力を借りて競合に対抗するためだった。それが、裏目に出た。

 強みとする地元の鮮魚や青果が次第に売り場から減っていく一方で、イオンが本部で調達した生鮮品が増えていった。その結果、一部の商品は価格が上昇。「魚の値段が高くなってきたから他のスーパーに行くようになった」(30代主婦)という声が漏れる。

 地元からの調達量が減れば、漁協などへの支配力も低下する。それが、競合スーパーに塩を送る結果となった。

 「昔は地元の市場のいい魚は全部マルナカが押さえていた。彼らの購買力が落ちて、我々の仕入れは格段にしやすくなった」(競合スーパー幹部)

 さらに追い打ちをかけたのがイオンのPB(プライベートブランド)「トップバリュ」の存在だ。

 トップバリュが導入されるにつれて、地元メーカーの品ぞろえは減っていった。「売り場が面白くなくなった」と60代の男性は不満を漏らす。

 どの店を、いつ訪れても、“イオン化”された画一的な売り場が続く…。

 「前は毎日、買い物に行くのが楽しかったのに」。かつてマルナカを愛用していた50代の主婦は嘆息する。

■総合スーパー、赤字に転落

 振り返れば、イオンの成長を支えてきたのは、絶えることなき買収だった。スーパー事業だけを見ても、その歩みはすさまじい。

 経営破綻したヤオハンジャパン(現マックスバリュ東海)を2000年に傘下に収めて以降、マイカルやダイエーなど、かつての大手小売りをイオンは次々にのみ込んでいった。

 関東のいなげや、ベルク、中四国のマルナカといった地方スーパーから、都市型のマルエツ、高級路線のピーコックストア…。多種多様なスーパーがグループに名を連ねていった。

 膨張の先に追い求めたのは、圧倒的な規模の獲得だ。

 店舗数が増えてバイイングパワーが強まれば、どこよりも安く商品を仕入れ、売り場に並べることができる。安さを強みに販売量を増やせば、バイイングパワーは一層高まると考えていた。

 象徴的なのは、PB商品の取り組みだろう。年々拡大する規模を生かして原料調達や製造委託が有利になれば、より安く、効率的にPB商品を作れるようになる。同時にこれを、拡大するグループ内の売り場で大量に販売することで、収益に大きく貢献するはずだった。

 だが、現実は甘くはない。

 トップバリュの売上高は毎年伸長し、2014年度は約7800億円に達している。半面、総合スーパー事業の営業損益は2011年度以降、急減している。2014年度はついに16億円の赤字に転落。総合スーパー事業は連結売上高の5割近くを占めるが、営業損益ではむしろ足を引っ張る存在だ。

出所:会社資料より編集部作成(写真:的野弘路)
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出所:会社資料より編集部作成(写真:的野弘路)
 現在の利益の柱は、ショッピングモールを手掛ける不動産開発事業や総合金融事業。これらは集客などの面で、総合スーパー事業に大きく頼ってきた。総合スーパー事業が傾けば、ゆくゆくは不動産や金融事業も傷みかねない。イオンにとって、総合スーパーの立て直しは待ったなしの状況だ。

 規模の拡大は、収益性の向上に寄与しなかったばかりか、金太郎飴のような売り場を全国に増殖させ、客離れを招いた。「どこに行っても“イオン化”された売り場ばかりでしょ。うんざりするよね」。あるイオン関係者は、拡大の果ての苦境をこう斬って捨てる。


【妄信】 “マクハリ”の呪縛

 国内有数の小売り激戦地区、九州。イオンや西友、広島地盤のイズミなどといった総合スーパーがひしめき、大手ディスカウンターやドラッグストアが攻勢をかける。そのうえ各県には、地元で圧倒的なシェアをもつ中堅スーパーが群雄割拠する。

 この“激安王国”でも、イオンのグループ企業が苦境に立たされていた。九州で総合スーパーを展開するイオン九州だ。同社は2014年度の単独決算で、16億円の営業赤字に転落した。

 「イオン九州は自滅した」。くしくも柴田祐司社長は、ライバルが現在のイオンを揶揄(やゆ)するのと同じ言葉で、イオン九州が衰退した理由を表現した。

■「トップバリュ・ファースト」

 2014年5月にイオン九州社長に就任した柴田氏は、それまでイオングループで唯一、総合スーパーで堅調な業績を維持するイオン北海道の社長を務めていた。イオン北海道は、グループ内でいち早く地域密着型の経営にかじを切り、成果を上げていた。

 その柴田社長の目には、イオン九州の品ぞろえは完全に間違ったものに映っていた。

 豆腐27円。麺19円──。

 ライバルのディスカウンターに客を取られまいと、採算性の極めて低い目玉商品を連発していた。その結果、熾烈(しれつ)な価格競争に巻き込まれていた。

 なぜイオン九州は、無謀な値下げでディスカウンターに対抗しなければならなかったのか。それは、商品も売り場も、完全に魅力を失っていたからだ。

 柴田社長には、忘れられない光景がある。

 2014年、ある店舗を訪れた時のことだ。「エンド」と呼ばれる陳列棚の端に、トップバリュがうずたかく積み上げられていた。エンドは、一般的に特売商品や新商品を並べる一等地。売り場の鮮度を演出し、客の購入意欲を高める重要な場所だ。

 そこに定番商品のトップバリュを置いても、客が関心を示すはずがない。事実、柴田社長がじっと様子をうかがっていても、立ち止まる客は皆無だった。

 「トップバリュ・ファースト」──。

 イオンでは最近まで、こんなスローガンが、千葉・海浜幕張にある本社から、地方の店舗まで共有されていた。

 「マクハリの指示通りに売り場を作れば、怒られることはない」。現場にはいつしか、本部任せの体質が染みついていた。トップバリュを売ることが最優先とされる中で、現場は思考停止に陥った。

 商品の仕入れや棚割りは“マクハリ本社”が決める、という中央集権体制は、顧客に合わせて品ぞろえや売り場作りを工夫しようという気力を、現場から奪った。仮に売り場の担当者が地元メーカーの商品を仕入れたいと本社に要請しても、実現するまでには煩雑な手続きと時間を要する。

 原材料や品質に関して定められた細かなルールも、現場の自由度を奪う一因になった。もちろん、品質を重視する姿勢は評価に値する。だが問題は、一旦決まったルールを妄信し、自分の頭で考えて柔軟に課題を解決しようとする姿勢が、本社にも、現場にも欠けていたことだ。

■「九州サッカリン事件」

 柴田社長がその現実に直面したのは、九州に赴任して間もない頃のことだ。

 地元客から好まれ、競合店の売り場には並ぶ地元メーカーのしょうゆが、イオン九州の店頭にはほとんど並んでいなかった。

 九州のしょうゆは甘い。砂糖のほかに、甘味料が含まれているためだ。この甘味料の一つであるサッカリンは、かつては発がん性があると誤解されたこともあり、イオンはサッカリンを含む食品を取り扱っていなかった。

 だが、九州で古くから使われているしょうゆの中には、地元メーカーが作るサッカリン入りのものも多い。ルールに従えば顧客の声には応えられない。

 柴田社長はイオンの岡田元也社長に直談判した。岡田社長の答えは、「その地域はがんの人が多いのか。地域で大事な商品なら入れないとダメだ」。小売業を営む者としての当然の答えだ。

 柴田社長は、「無謀な特売はやめろ」「自分の頭で考えろ」と現場にハッパをかけるが、マクハリの方針を絶対視してきた風土は、容易には変わらない。

 しかも、柴田社長の命によって無謀な値下げは影を潜めたが、それに代わる目玉の商品の調達力はまだ弱い。その結果、客数が前期比4.8%減となり、赤字転落の一因となった。

 「成果が出るまで3年はかかる」(柴田社長)。それほど、道のりは遠い。

■芽生える変化の兆し

 だが、一部では変化の兆しもある。

 柴田社長は、より地元に根付いた商売をするため、店舗が独自の売り場作りや品ぞろえを簡単に実現できるような新しい仕組みを構築した。

 「売り場に並べたい商品の情報を本部に上げると、前よりも早く対応してくれるようになった。調味料の品数はようやく(競合の)イズミに追いついた」。福岡県筑紫野市にあるイオン筑紫野店の清竹健一・店次長は話す。

 最近では、パートスタッフから、地元で人気のある商品を聞き、各店舗の社員が直接、地元メーカーに交渉に訪れることも増えてきた。筑紫野店では、しょうゆ、味噌などの調味料は、かつて全体の約1割しかなかった地元メーカーの比率が、3割に拡大した。

イオン筑紫野店で強化された調味料の棚。地元メーカーの商品が増えてきた(写真:松隈直樹)
イオン筑紫野店で強化された調味料の棚。地元メーカーの商品が増えてきた(写真:松隈直樹)
 一方で、地元との強いコネクションが必要になる鮮魚や青果の仕入れでは、グループの壁を壊した挑戦にも乗り出している。

 イオン九州と食品スーパーのマックスバリュ九州が共同で仕入れのためのチームを作り、九州域内の市場や漁協に手分けして仕入れ担当者を配置し始めた。今後は、2015年1月に完全子会社化したダイエーや、2014年の秋に買収した地元スーパーのレッドキャベツも、チームに加える方針だという。

 こうした取り組みが狙い通りに進めば、地元で独自に仕入れた商品が、これまで以上に売り場に並ぶはずだ。

 だがこの取り組みが進んでも、「店ごとの独自商品は全体のごく一部」(柴田社長)。残りはマクハリで一括調達するNB(ナショナルブランド)やトップバリュといった定番品が、依然として大半を占める。つまりイオン九州の再生のカギを握るのは、イオン本体の商品力次第ということだ。

 そのイオン本体も、ようやく覚悟を決めて改革に動き出した。

【改心】 時計の針を戻す

 「もうトップバリュというブランドなんて、やめてしまおうか」

 2014年後半、幹部たちを前に、イオンの岡田社長の口から、諦めとも取れる言葉がこぼれた。

イオン社長兼グループCEOの岡田元也氏(写真:的野弘路)
イオン社長兼グループCEOの岡田元也氏(写真:的野弘路)
 イオンの打つ手は2014年春以降、誤算続きだ。消費増税後の節約志向を見込み、トップバリュで価格攻勢を仕掛けた。だが消費者の反応は想定以上に悪い。「価格対応が十分ではなかった」(岡田社長)と対策を講じるも、客足は一向に戻らなかった。

 売れないから値下げをし、それがブランドを毀損して、さらに評判を落とす。そんな「負の連鎖」が、イオンを襲っていた。

 「ワクワクする商品がない」。トップバリュ不振の理由を、柴田英二・商品担当執行役はこう分析していた。

 度重なる値下げで安さは認知されたが、その価値はほとんど評価されていない。「粗製乱造はやめてほしい」とグループ内の事業会社から悲鳴が上がるほど、ブランドは魅力を失っていた。

 「価値の伝え方に問題がある」

 岡田社長を含む経営陣の間では、そんな議論が何度も繰り返された。だが、不振の真因は決して、それだけではなかった。

 「ホワイトスペース(空白地帯)を埋めることばかり優先し、作ることが目的になってしまっていた」と柴田執行役は振り返る。

 PB商品の開発は、すべてのカテゴリーで、トップシェアのNB商品をベンチマークに、それに近い品質をより安い価格で実現することを目指してきた。だが、実際に商品の細かい仕様を決め、製造委託先を探すのは外部のPB開発会社頼み。当時のイオン内部では、まず棚を埋める商品を作ることが優先されていた。

■トップバリュ、4割弱を削減

 その結果、アイテム数は増えたが、競争力の弱いトップバリュがまん延。売り場の魅力を落とし客足を遠ざけた。

 岡田社長の言葉は、そんな負の連鎖に耐えかねて発せられたものだろう。この言葉に奮起するかのように、トップバリュの出直しが始まった。

 まずは、全商品の収益に対する貢献度を調べた。その結果、収益に貢献していない商品が次々と見つかる。

 開発した当初はNBに迫る品質でも、その後の改良がなければ商品は陳腐化する。毎年改良を重ねるNBとの差は、時間を経るごとに開いていた。

 「収益に貢献していない商品を大胆に削る」と柴田執行役は断言する。その規模は2015年度中に全体の4割弱に達する見込みだ。

 不振アイテムを整理する一方で、新しいタイプのPB商品の開発にも乗り出す。既存カテゴリーのNBをまねるのではなく、独自に新たなカテゴリーを提案するような商品作りを目指す。

 そもそもトップバリュは、販売責任者であるイオンが、消費者からの問い合わせを一元管理してきた。だがNBをベンチマークにするという大方針の下では、そこで得られる情報は十分に商品開発に生かされていなかった。この体制を改め、顧客の声を起点に商品を開発することに挑戦する。

■7000億円子会社を解体


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 2014年11月には、コールセンターのシステムを刷新し、より顧客の声を拾いやすい仕組みを導入した。同時に、イオンのクレジットカードなどから顧客の購買データを集約。定性情報と定量情報という2つのビッグデータを活用して、消費者の潜在ニーズに応えるような商品を開発する。

 供給者の論理を優先した押し付けから、顧客目線の開発へ──。

 トップバリュの方針転換は、イオンが推進してきた中央集権の拡大路線の“挫折”を意味する。そしてそれは、商品開発だけではなく、経営の根幹にも大変革を迫るものとなった。

 それは、イオンの「解体」である。

 2015年3月1日、純粋持ち株会社であるイオンから、全社員の約半数が中核事業会社のイオンリテールに異動した。

 遡ること7年前。イオンは経営体制を改め、持ち株会社制に移行した。持ち株会社の下に店舗運営などを担う事業会社と、商品調達やトップバリュの開発などを担う機能会社を置き、各事業部にあった商品企画やマーケティングの機能はおおむね持ち株会社に移管した。

 今回の改革では、時計の針を戻すかのように、その時に分離した各種機能を再び事業会社に移管する。

 5月末にはグループの共同仕入れを担い、年間7000億円の売り上げ規模を持つイオン商品調達を解散。PB開発を担ってきたイオントップバリュも、9月をメドに全ての機能をイオンリテールに移管する方針だ。

 さらに持ち株会社や機能会社から移った人員を含め、2015年秋頃までに1100人を、イオンリテール社内にある6つの地域カンパニーや、さらにその下の各店舗に配置していく計画だ。

 イオンの岡田社長とともに、「解体」のシナリオを描いたイオンリテールの岡崎双一社長の脳裏には、1980年代後半のジャスコの姿がある。「一番元気があった頃の状況に、もう一度、戻す」(岡崎社長)。当時は1つの事業本部内に、仕入れから商品企画、マーケティングなどのあらゆる機能があり、密接に連携し合っていた。顧客の変化を捉えたら、誰ともなく行動に移し、現場主導で売り場を作っていた。

 だが規模の拡大に伴い、いつしか組織は戦略を練る「頭脳」と、体を動かす「現場」に分断された。持ち株会社体制に移行すると、一気に中央集権化が進み、両者の距離はさらに開いていった。

 今回、イオンを「解体」することの狙いは、分断された各機能の距離を縮め、消費環境の変化に迅速に対応し得るように、組織を再構築することにある。

 そのため、まず、イオンリテールの社内カンパニーを、それぞれの地域を統括するバーチャルな事業会社と位置付けた。そして、カンパニー支社長の権限は実質的なCEO(最高経営責任者)と言えるほどに強化した。

 さらに、支社長のポストには、中国の元責任者や子会社の社長経験者など、グループの要職にあった人材をかき集めた。ある幹部は、「取引先から、『4番バッターばかりそろえて、引き抜かれた組織は大丈夫ですか』と心配されたほどだった」と笑う。

 再生にかけるイオンの覚悟は、2015年1月に完全子会社化したダイエーとの統合にも変化をもたらしている。これまでイオンが買収した企業とは異なる形で、統合作業が進もうとしている。

 全国にある281のダイエー店舗のうち、88店はこの秋、イオングループに継承される。

■ダイエーは“イオン化”しない

 これまでの買収では、商品や売り場は基本的に“イオン化”した。だが、マルナカの事例で見た通り、それが客離れを招いた。岡崎社長は、「ダイエーの統合では、これまでの失敗は繰り返さない」と話す。

 分かりやすいのが、商品の品ぞろえだ。イオンはこれまで、買収先には自社のシステムをそのまま導入してきた。そのため、買収先が従来取り扱っていた商品でも、イオンのシステムに登録されていなければ、売り場から消えた。

 だがダイエーとの統合では、まずはダイエーの持つ商品情報をイオンが取り込む。それによって、従来のような“イオン化”をダイエー店舗で避けると同時に、イオンの店舗でもダイエーの商品を取り扱う。例えば、イオンのオリーブオイルの品ぞろえは、ダイエーが取り扱っていた商品が加わり2倍以上に広がる。

 商品点数が増えれば、もちろん現場の手間は増える。それでも、「もはや、“マス”を対象にした品ぞろえでは戦えない。作業効率が悪くなっても、多様なニーズに応えていく」(岡崎社長)。こうした取り組みを強化するため、売り場の人員拡充を目的に、今年度は約30億円を投じる予定だ。

 顧客を最も知る現場の意見を最大限生かして商品を開発し、仕入れ、売り場に並べる。小売業のあるべき姿に、イオンはようやく立ち返ろうとしている。

(日経ビジネス 大竹剛、日野なおみ、中尚子)

[日経ビジネス 2015年4月27日号の記事を基に再構成]
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三菱東京UFJ、印でトイレ200カ所

2015/4/29 0:14日本経済新聞 電子版

 ■三菱東京UFJ銀行 1億500万ルピー(約2億円)を投じ、インド南部アンドラプラデシュ州の約200カ所の女子学校にトイレを設置する。インドのモディ首相が推進する「クリーン・インディア」構想を支援する。

 トイレの設置では、インド商工会議所連盟(FICCI)が協力する。アンドラプラデシュ州は今後、インフラ開発の加速により、日系企業の進出拡大も見込まれる地域。三菱東京UFJ銀は政府の構想に応じた企業の社会的責任(CSR)活動により、インドでのブランド力を高める。インドは会社法により、企業が収益の一部をCSR活動に充てることを義務付けている。

(ムンバイ=堀田隆文)
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米アップルの1─3月期は増収増益、iPhone中国販売が好調

2015年 04月 28日 07:27 JST

[27日 ロイター] - 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が27日発表した第2・四半期(1─3月)決算は、「iPhone(アイフォーン)」の販売が特に中国で大きく増加したことが寄与し、売上高と利益がともに市場予想を上回った。売上高は前年同期比27%増の580億1000万ドル。前年同期は456億5000万ドルだった。

純利益は135億7000万ドル(1株当たり2.33ドル)で、前年同期の102億2000万ドル(同1.66ドル)から増加した。

トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想は売上高が560億ドル、1株当たり利益が2.16ドルだった。

アイフォーンの販売台数は前年同期比40%増の6120万台。ただ、過去最多となった10─12月期からは減少した。

タブレット端末の「iPad(アイパッド)」の販売台数は前年同期比23%減の1260万台だった。

中国の売上高はアイフォーンの好調な販売を背景に71%増の168億ドルと、同社最大の市場である米州に次ぐ2位の市場となった。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国の売上高が大きく伸びたことについてアイフォーンが主導したと指摘した。

また、今月24日に発売した腕時計型端末「アップルウオッチ」について、引き続き需要が供給を上回っていると明らかにした。

クックCEOは「需要の観点からすると、いつ店舗に製品がなくなるか判断するのは難しい」と述べた。

同社はアップルウォッチの販売数は明らかにしなかった。

市場は決算を好感したが、株価の上昇率は限定的だった。

FBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は「アイフォーンの販売台数が6000万台超となったことはホームランに相当する快挙だ。アイフォーンがアップルの業績のけん引役であり続けていることが示された。市場は歓迎するだろう」と述べた。

アップルはまた、自社株買いの枠を1400億ドルとし、前年発表の900億ドルから拡大したほか、四半期配当を1株当たり0.52ドルに11%引き上げた。アップルはこうした措置により、2017年3月末までに総額2000億ドルを株主に還元できると試算している。

それでもなお、バーンスタイン・リサーチのアナリスト、トニ・サッコナギ氏は予想よりもやや少ないと指摘した。

決算発表を受け、アップルの株価は時間外取引で上昇。1.6%高の134.52ドルで推移している。


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インターネットがもたらす欠落感  (鈴木幸一氏の経営者ブログ)

2015/4/28 6:30日本経済新聞 電子版

 「1914年8月にイギリスがドイツに宣戦布告したとき、イギリスが世界中の軍事施設にただちに警報を発したことを、歴史家たちは教えてくれる。しかし、その指令を可能にしたのが驚くべき海底ケーブル通信であったことは、ほとんど述べられない。大戦略立案者も指導者も教授も、数多くの物事をあたりまえとして見過ごしている」(「第2次世界大戦 影の主役」ポール・ケネディ著)

■通信はつねに戦争の手段だった

 戦いの帰趨を決める要素はさまざまだが、前提となるのはその時代の技術革新である。第一次世界大戦では、海底ケーブルの敷設による新しい通信の利用が戦い方を変えた。現在であれば、それはインターネットに相当するのだろう。情報通信のインフラは基本的に、国防という視点から捉えるのが先進国の常識である。ドイツの潜水艦攻撃の暗号解読に使われたのが、チューリングによる現在に至るコンピュータ技術のスタートであり、フォン・ノイマンのコンピュータも原子爆弾の開発を始めとする軍事的な要請に応える形で始まっている。

 インターネットとは大雑把に言えば、1960年代の米ソの冷戦時代に、大陸間弾道弾が通信網を破壊する脅威に対し、従来とは違う通信技術で対応しようという試みで、国防予算によって発展をしてきた。コンピュータが第2次大戦という史上最悪の巨大な戦争の過程で実用化された技術であることは周知のことである。

 コンピュータリゼーションが軍事的な利用に始まっている歴史と同様、インターネットという技術革新も第2次世界大戦から現在に至るコンピュータの発展の流れのうえにある。それを忘れると、日本と欧米や中国との間でインターネットに対する概念や使い方、法制度の違いがますます広がる可能性がある。ごく初期のころから関心を持ちながら、長年、国防的な視点を欠いたままの日本のインターネットの発展の仕方を見るにつけ、ある面、不思議な感じが離れることはなかった。エンジニアライクでピュアな考え方も悪いわけではないのだが、いくつもの懐を持つ思考法がないのは、戦後の日本らしいのかも知れない。

 今年は、戦後70年ということで、安倍首相の談話が議論をされている。私は、戦後の廃墟の時代に生まれ、その70年の大部分の時間を生きてきたはずが、日本が今、世界になにを訴えるのかといえば、途方に暮れるばかりである。中国の習近平国家主席は、アジア・アフリカへの巨額のインフラ投資が可能なAIIBを設置し、「経済と軍事は補完関係にある」と歯切れよく明言した。日本にはそれができない難しさがある。

■独りの時間があるからこそ生まれる言葉

 20数年もこの世界で仕事をしていると、時の経つ早さに唖然とすることが多い。次から次と世に出る技術を追っていると、意味のない追いかけっこをしているような徒労感に襲われることもある。一方この時期になると、企業人としてこなすことも後から後から湧いてくる。株主総会までにすべきこと、夏の予定から9月の酒席まで、ずいぶんと先の予定まで埋まってくる。1年という時間が、実にあっけなく消えていく。エンジニアに、「その開発、いつ始めたのだったかなあ」と聞くと、「5年前です」という答が返ってきて、「そんなに経ったのか」と驚く。日々、新しい技術や新規事業が溢れる企業活動に巻き込まれていると、どこかで時間を盗まれているのではないかと思うほどだ。そんなリズムに巻き込まれていると、プライベートな日々の暮らしまで消失してしまうような気になる。

 正月以来、初めて予定のない休日である。朝から家にいる休日は、ほんとうに久しぶりで、早起きはしたものの、机の前でうとうとしている。休みに慣れていないのだ。区切りもなしに忙しくするほど、自らの時間は失われていく。人間は、物を考える時は一人だ。デカルトを持ち出すまでもないけれど、炉辺で一人、物狂いのような脳の働きの場があってこそ、「われ思う、故にわれあり(コギト エルゴ スム)」という言葉が生まれたのである。日々の暮らし方の愚かさを表現するのに、デカルトを持ち出すまでもないが、デカルトを持ち出すこと自体、たまの休日に、脳の活動が完全停止していることの証左なのかも知れない。

■「散歩」という寄り道の愛おしさ

 先週の月曜日の午後遅く、サンフランシスコから成田に戻り、オフィスで溜まった仕事を片付け、その晩から酒席に行き、知人と飲み交わした。その翌日には米国を回ったことが、遠い記憶になってしまっている。時間や空間の感覚を失うということは、生きることを無のなかに捨てるようなものかも知れない。「毎日、きょろきょろと景色を確認しながら歩いていると、呆けない。車には乗らない方がいいですよ」と、知人の医学者はいう。散歩をしていると、パターン認識が衰えないからだそうだ。ある日、自分の家のある駅を降りると、突然、わが家までの道筋が分からなくなったりする、それが認知症の始まりの症状だったりすることがよくあるのだと。

 忙しさに紛れて、近頃は、すっかり散歩をしなくなった。散歩という名の放浪癖が始まったのは小学生の頃だった。学校から戻ると、午後から夕食前まで、毎日、2,3時間ほど、ひとりで歩き回っては、「あなたは放浪者の素質があるから気をつけなさい」と、母親に心配された。横浜の根岸競馬場跡にあった駐留米軍の本部の周辺から、山下公園までぶらぶらとよく歩いた。日没が早い冬は散歩の途中で暗くなり、家々の小さな明かりが、窓の隙間から洩れるようになる路地から路地を辿り、家に戻る。数十年を経た今でも、その時分に歩いた町の光景は、夕暮れの匂いに至るまで、鮮明な記憶として残っている。先週、サンフランシスコで仕事をしていたことも、一日経てばすぐにその記憶まで消えてしまう現在の生活とは、まるで違った時間と空間を生きていたのである。

 インターネットさえあれば、地球のどこに居ても、同じような仕事ができる。そのことと、時間と空間の感覚を忘れてしまうことへの恐れは本来、次元の違う話なのだが、それが、同じようなレベルの喪失感となってしまっている。自分の生の一部が欠落し始めているのではないかという不安を感じる。グーグルのラリー・ページは、インターネットによって膨大な記憶の外部化が可能となり、人間の小さな脳の働きを超えたメモリーが使えるという。「ネットバカ」になるとまでは言わないけれど、どこかで、なにかが抜け落ちていくような怖れの意識が少しずつ強くなっていくのである。

 ぼんやりと時間を過ごしていた休日、急にポール・マッカートニーの日本公演に誘われ、後楽園に足を運ぶ。3時間ほど歌い続けるポールに改めて感心する。ポールも72歳のはずである。前回の来日の時と同じように、アンコールで「アビーロード」を歌う。コンサートが終わって、ひとりget back home againという気にもならず、後楽園から歩いて10分程度の場所にあるわが家に、同世代の友人夫妻を招き、酒を飲み続けてしまった。結局は、今夜も酒席で終わってしまったのである。

鈴木幸一IIJ会長のブログは毎週火曜日に掲載します。

鈴木幸一 IIJ会長のブログでは、読者の皆様からのご意見、ご感想を募集しております。
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読者からのコメント
60歳代男性
「情報通信のインフラは基本的に、国防という視点から捉えるのが先進国の常識である。」ことを、東西冷戦終結前に米国の高周波帯域通信用半導体素子研究開発企業と接していた頃に実感しました。「今年は、戦後70年ということで、安倍首相の談話が議論をされている。私は、戦後の廃墟の時代に生まれ、その70年の大部分の時間を生きてきたはずが、日本が今、世界になにを訴えるのかといえば、途方に暮れるばかりである。」に共感しました。当方はサンフランシスコ講和条約発効の翌年に生まれ、進駐軍の広大な施設の存在していたことを認識していますので、無条件降伏/敗戦-平和憲法施行-講和条約発効が再独立を国際社会が認めた根拠であり前提として、日本流による東西南北間の交易・交流の要となるべきと思います。
嘆きの60歳さん、60歳代男性
管理社会と競争社会が現代日本を支配している。戦後米国の自由、民主主義が導入され、競争が正義となり、日本は過当競争社会に突入した。人によっては一生競争から逃れられない人もいる。或いは逆にその競争社会に飛び込む人もいる。機能優先で如何に他者に勝つか、それの冴えたるものがIT。会社も軍隊に似て非なるモノ。軍隊での思考方法、語句がビジネス社会にも広がった。しかもそれの繰り広げられた内容は、現実でなくバーチャルリアリティである。徳川時代と同様、戦争がないので武道で腕を上げるも 活躍する場がない危険な時代。その意味ではナポレオンが目指した国民国家の冴えたるものである。もう少し人間味のある、ゆとりのある生活をしたいものである。何時までもITに操られいる必要もなく、現実社会を自分の目で確かめることも必要。
ねこのはなこさん、60歳代女性
本当にその通りです、と深く頷きならが拝読しました。 無駄、回り道、などこそが素晴らしい宝を含むものです。 生物として自然と共存すべき人間が、人工的無機質に身を置きすぎると、何か最も大切なものを遠からず壊すのでは、と言い知れぬ不安を感じています。 市井の人間の言うことは誰も取り上げもせず聴きもしてくれません。 名もなき多くの未来を憂う人々に代わって、これからも沢山発信していただきたいと、応援しております。
団塊の凡人さん、60歳代男性
鈴木氏のおっしゃる通り、ネットのお蔭で「散歩という寄り道」がなくなりました。以前は、ちょっとした調べものをしようと昔読んだ本を探してるうちに、それとは関係ない懐かしい本を見つけ、ついつい手に取り、いつの間にか、1・2時間が…という事が間々ありました。今は、すぐにネットで調べられますから、こんな「ムダ」は生じません。でも、人生の満足度・人生の充実度からすると、こんなムダはとても大切。スマホ漬けの人達がかわいそうに思います。
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インターネットがもたらす欠落感  (鈴木幸一氏の経営者ブログ)

2015/4/28 6:30日本経済新聞 電子版

 「1914年8月にイギリスがドイツに宣戦布告したとき、イギリスが世界中の軍事施設にただちに警報を発したことを、歴史家たちは教えてくれる。しかし、その指令を可能にしたのが驚くべき海底ケーブル通信であったことは、ほとんど述べられない。大戦略立案者も指導者も教授も、数多くの物事をあたりまえとして見過ごしている」(「第2次世界大戦 影の主役」ポール・ケネディ著)

■通信はつねに戦争の手段だった

 戦いの帰趨を決める要素はさまざまだが、前提となるのはその時代の技術革新である。第一次世界大戦では、海底ケーブルの敷設による新しい通信の利用が戦い方を変えた。現在であれば、それはインターネットに相当するのだろう。情報通信のインフラは基本的に、国防という視点から捉えるのが先進国の常識である。ドイツの潜水艦攻撃の暗号解読に使われたのが、チューリングによる現在に至るコンピュータ技術のスタートであり、フォン・ノイマンのコンピュータも原子爆弾の開発を始めとする軍事的な要請に応える形で始まっている。

 インターネットとは大雑把に言えば、1960年代の米ソの冷戦時代に、大陸間弾道弾が通信網を破壊する脅威に対し、従来とは違う通信技術で対応しようという試みで、国防予算によって発展をしてきた。コンピュータが第2次大戦という史上最悪の巨大な戦争の過程で実用化された技術であることは周知のことである。

 コンピュータリゼーションが軍事的な利用に始まっている歴史と同様、インターネットという技術革新も第2次世界大戦から現在に至るコンピュータの発展の流れのうえにある。それを忘れると、日本と欧米や中国との間でインターネットに対する概念や使い方、法制度の違いがますます広がる可能性がある。ごく初期のころから関心を持ちながら、長年、国防的な視点を欠いたままの日本のインターネットの発展の仕方を見るにつけ、ある面、不思議な感じが離れることはなかった。エンジニアライクでピュアな考え方も悪いわけではないのだが、いくつもの懐を持つ思考法がないのは、戦後の日本らしいのかも知れない。

 今年は、戦後70年ということで、安倍首相の談話が議論をされている。私は、戦後の廃墟の時代に生まれ、その70年の大部分の時間を生きてきたはずが、日本が今、世界になにを訴えるのかといえば、途方に暮れるばかりである。中国の習近平国家主席は、アジア・アフリカへの巨額のインフラ投資が可能なAIIBを設置し、「経済と軍事は補完関係にある」と歯切れよく明言した。日本にはそれができない難しさがある。

■独りの時間があるからこそ生まれる言葉

 20数年もこの世界で仕事をしていると、時の経つ早さに唖然とすることが多い。次から次と世に出る技術を追っていると、意味のない追いかけっこをしているような徒労感に襲われることもある。一方この時期になると、企業人としてこなすことも後から後から湧いてくる。株主総会までにすべきこと、夏の予定から9月の酒席まで、ずいぶんと先の予定まで埋まってくる。1年という時間が、実にあっけなく消えていく。エンジニアに、「その開発、いつ始めたのだったかなあ」と聞くと、「5年前です」という答が返ってきて、「そんなに経ったのか」と驚く。日々、新しい技術や新規事業が溢れる企業活動に巻き込まれていると、どこかで時間を盗まれているのではないかと思うほどだ。そんなリズムに巻き込まれていると、プライベートな日々の暮らしまで消失してしまうような気になる。

 正月以来、初めて予定のない休日である。朝から家にいる休日は、ほんとうに久しぶりで、早起きはしたものの、机の前でうとうとしている。休みに慣れていないのだ。区切りもなしに忙しくするほど、自らの時間は失われていく。人間は、物を考える時は一人だ。デカルトを持ち出すまでもないけれど、炉辺で一人、物狂いのような脳の働きの場があってこそ、「われ思う、故にわれあり(コギト エルゴ スム)」という言葉が生まれたのである。日々の暮らし方の愚かさを表現するのに、デカルトを持ち出すまでもないが、デカルトを持ち出すこと自体、たまの休日に、脳の活動が完全停止していることの証左なのかも知れない。

■「散歩」という寄り道の愛おしさ

 先週の月曜日の午後遅く、サンフランシスコから成田に戻り、オフィスで溜まった仕事を片付け、その晩から酒席に行き、知人と飲み交わした。その翌日には米国を回ったことが、遠い記憶になってしまっている。時間や空間の感覚を失うということは、生きることを無のなかに捨てるようなものかも知れない。「毎日、きょろきょろと景色を確認しながら歩いていると、呆けない。車には乗らない方がいいですよ」と、知人の医学者はいう。散歩をしていると、パターン認識が衰えないからだそうだ。ある日、自分の家のある駅を降りると、突然、わが家までの道筋が分からなくなったりする、それが認知症の始まりの症状だったりすることがよくあるのだと。

 忙しさに紛れて、近頃は、すっかり散歩をしなくなった。散歩という名の放浪癖が始まったのは小学生の頃だった。学校から戻ると、午後から夕食前まで、毎日、2,3時間ほど、ひとりで歩き回っては、「あなたは放浪者の素質があるから気をつけなさい」と、母親に心配された。横浜の根岸競馬場跡にあった駐留米軍の本部の周辺から、山下公園までぶらぶらとよく歩いた。日没が早い冬は散歩の途中で暗くなり、家々の小さな明かりが、窓の隙間から洩れるようになる路地から路地を辿り、家に戻る。数十年を経た今でも、その時分に歩いた町の光景は、夕暮れの匂いに至るまで、鮮明な記憶として残っている。先週、サンフランシスコで仕事をしていたことも、一日経てばすぐにその記憶まで消えてしまう現在の生活とは、まるで違った時間と空間を生きていたのである。

 インターネットさえあれば、地球のどこに居ても、同じような仕事ができる。そのことと、時間と空間の感覚を忘れてしまうことへの恐れは本来、次元の違う話なのだが、それが、同じようなレベルの喪失感となってしまっている。自分の生の一部が欠落し始めているのではないかという不安を感じる。グーグルのラリー・ページは、インターネットによって膨大な記憶の外部化が可能となり、人間の小さな脳の働きを超えたメモリーが使えるという。「ネットバカ」になるとまでは言わないけれど、どこかで、なにかが抜け落ちていくような怖れの意識が少しずつ強くなっていくのである。

 ぼんやりと時間を過ごしていた休日、急にポール・マッカートニーの日本公演に誘われ、後楽園に足を運ぶ。3時間ほど歌い続けるポールに改めて感心する。ポールも72歳のはずである。前回の来日の時と同じように、アンコールで「アビーロード」を歌う。コンサートが終わって、ひとりget back home againという気にもならず、後楽園から歩いて10分程度の場所にあるわが家に、同世代の友人夫妻を招き、酒を飲み続けてしまった。結局は、今夜も酒席で終わってしまったのである。

鈴木幸一IIJ会長のブログは毎週火曜日に掲載します。
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日本の「実力」はすごい! 経済や科学技術・・・「わが国民は誤解している!」=中国メディア

サーチナ 4月28日(火)6時7分配信

 中国メディアの爪游控は26日、日本と中国は2000年以上にわたって交流を続けてきた歴史を持つとしつつも、中国人は日本に対する体系だった理解が不足している傾向にあると指摘し、「日本の経済と科学技術の実力を過小評価してはならない」と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本人は韓国人と比べ、「耐え忍ぶことができ、協調性があると同時に物憂げに映る」と伝え、島国という環境によって日本人は常に危機意識を抱いていると論じた。さらに、中国経済の発展に伴い、日本では「必要以上に日本経済の停滞を強調する傾向にある」とする一方、日本は軍事や経済、科学技術などにおいて「極めて高い実力を持つ」と主張した。

 続けて、日本は核兵器などは保有していないが、その防衛力は世界的に見ても上位の水準にあるとし、自衛隊も相当な実力を有していると主張。自衛隊が保有する戦力について紹介しつつ、その実力を支えている背景には装備の質と工業力があると論じた。

 また、日本は対外的に「あえて衰退している」というイメージを発信しているが、日本経済は今なお相当な実力を有しているとし、「その隠れた実力はわれわれの想像を大きく超える」と主張。失業率が10%に迫り、中所得層が疲弊している米国に比べ、日本は「失業率や犯罪率が低く、貧富の差も相対的に小さい」と指摘。

 さらに、日本は国外に大量の資産を保有していることを紹介。財務相によれば、日本の2013年末時点における対外純資産残高は325兆円に達し、「23年連続」で世界一の債権国となった。これに対して記事は、「日本は本土だけでなく、世界中に“日本”を保有しているのと同じ」だと形容した。

 そのほか、日本には世界をリードする技術を有す企業も数多く存在することなどを指摘したうえで、「中国は日本について間違った報道を続けており、日本の本当の実力を理解できていない」、「中国国民は日本の実力を誤解している」などと主張。

 中国経済が発展していることは喜ばしいことだとしつつも、「喜ぶと同時に日本との差を認識すべき」とし、「日本は多くの点で今なお中国をはるかに上回る実力を持っていることを知るべきだ」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) luzitanija/123RF.COM)
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アップルの1~3月期、純利益33%増 アイフォーンが好調 利益配分を拡大

2015/4/28 5:52日本経済新聞 電子版

【NQNニューヨーク=大石祥代】アップルが27日夕発表した2015年1~3月期決算は、純利益が前年同期比33%増の135億6900万ドル(約1兆6200億円)だった。主力のスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の販売が好調で収益を押し上げた。

 売上高は27%増の580億1000万ドルだった。アイフォ…
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三菱UFJ、邦銀初の純利益1兆円 15年3月期

2015/4/28 2:00

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の2015年3月期の連結純利益が1兆円に達する見通しとなった。2年連続で過去最高益を更新し、邦銀として初の大台に乗せる。国内企業としてもトヨタ自動車に次ぐ2番目の事例。融資先である国内企業の業績拡大に加え、ほかのメガ銀に先行して進めた海外事業での収益拡大が全体の利益を押し上げた。

 出資する持ち分法適用会社の米モルガン・スタンレーや子会社の米中堅銀行ユニオンバンクに加え、13年末に買収したタイのアユタヤ銀行など近年、戦略的に投資した米国・アジアでの収益が業績に貢献している。円安・ドル高が進み、円換算でのプラス幅が拡大した面もある。

 国内では融資先の業績改善に加え、金利の変動幅が大きく債券の売買差益も収益を押し上げた。ただ金融緩和で低金利が続いており、企業向け貸し出しの「利ざや」は縮小傾向が続いている。

 14年4~12月期の純利益は前年同期比18%増の9269億円。この時点で4~12月期として3年ぶりに過去最高を更新し、通期では9500億円を目標としていた。同年後半から大口融資先のシャープで経営難が表面化し、1千億円程度の引当金を積んだものの、純利益は目標を上回った。14年3月期の純利益は9848億円だった。
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顧客との主導権争い壁 東京エレクトロン、日米連合が破談

2015/4/28 2:00日本経済新聞 電子版

 「ハイテク業界の大型日米連合」といわれた東京エレクトロンと米アプライドマテリアルズの経営統合計画が破談になった。直接の理由は米司法省の認可を得られなかったことにある。その背後には顧客である米インテルや韓国サムスン電子など大手半導体メーカーの存在がちらつく。技術革新を巡る半導体メーカーと装置メーカーの攻防が今回の統合破談の裏側にあったようだ。

 「納得はできないが謙虚に受け止めるしかない」。27日、…
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【特報】東電、ソフトバンクと提携へ 家庭向け電気で「携帯セット割」導入

 2016年4月の家庭向け電力小売りの全面自由化を見越し、東京電力がソフトバンクと業務提携する方針を固めたことが、本誌の取材で分かった。両社は今後、電気と携帯電話、通信などのサービス窓口を融合。両社の契約を一本化すれば、値引きを受けられる「セット割」などの新サービスを全国で打ち出す。

 電力小売の全面自由化で新たに立ち上がる市場規模は年7.5兆円。地域独占が崩れ、異業種からの参入が相次ぐことで、競争激化が予想される。東電とソフトバンクの提携を機に、業種の壁を越えた合従連衡が過熱しそうだ。

東電は今年3月以降、ソフトバンクに加え、NTTドコモ、KDDI(au)の携帯電話3社から、家庭向け電力小売りに関する事業提案を受け付けていた。4月中旬の社内会議で、3社のうちソフトバンクに優先交渉権を与えることを決定。同月28日に開かれる東電の取締役会で正式に決議する。東電とソフトバンクは今後、具体的なサービス内容を詰める作業を始め、今夏以降に詳細を発表する。

 契約電力が50キロワット未満の一般家庭、中小企業、商店向けの小規模販売は現在、東京電力など全国10地域にある電力大手が独占的に販売している。全面自由化で、誰でも自由に電力会社を選べるようになる。

 家庭向けの電気販売には、電力会社だけでなく、都市ガス、石油元売り、商社などエネルギー関連企業のほか、製紙、鉄道、不動産など他業種からも多くの企業が参入する見通し。新電力(PPS)と呼ばれる電力小売りを扱う新規の登録事業者数は現在、650社を超えている。全面自由化後には企業間の価格競争が起こり、電気料金が大幅に下がる可能性が高まっている。

 そのような状況を踏まえ、東電とソフトバンクは提携で積極的な戦略に打って出る。全国3000店弱のソフトバンクの携帯販売店「ソフトバンクショップ」で、電気の契約手続きを行えるようにする。他の電力会社から東電に、他の携帯会社からソフトバンクに契約を切り替えれば、「セット割」として、電気料金などを一定額割り引くサービスなどを検討する。

「0円電気」も登場?

 毎月の携帯電話料金と一緒に自動的に電気代も引き落とされれば、利用者の利便性が高まる。一定額までの電気代と携帯のパケット通信料、通話料を連動させた「定額パック」など、訴求力のあるサービスを打ち出すことができる。

 一定期間は契約を解除できないなどの条件を設定した上で、両社が電気代を負担する「0円ケータイ」ならぬ、「0円電気」も登場するかもしれない。

 東電にとって、ソフトバンクとの提携は営業基盤や集金システムを持たない首都圏以外の地域での電気販売を進めやすくなるという利点がある。特に、斬新で思い切った営業戦略に定評のあるソフトバンクと組めば、一気にシェアを拡大できるとの期待は大きい。

 一方、「守り」の意味合いもある。人口が集中する東電管内の首都圏は全国の需要の3割以上を占めており、全面自由化後の“主戦場”と位置付ける企業は多い。

 関西電力は東燃ゼネラル石油と共同で、千葉県市原市に出力100万キロワット級の大型石炭火力発電所の建設を検討。東京ガスと燃料の共同調達などに関して協議を進めるなど、首都圏への割安な電気の供給を狙う。九州電力と東京ガス、出光興産、そして中国電力も東京ガスなどと共同で首都圏での発電所建設を計画している。

 こうした状況から、東電は今年4月、中部電力と火力発電事業の共同出資会社設立で最終合意したと発表した。福島第1原子力発電所事故の賠償費用負担に苦しむ中、燃料の共同調達のほか、発電所の新設・建て替えで歩調を合わせることで、発電コストの引き下げを狙う。

 だが、小売の面では両社の利害は対立する。両社ともに互いの域内での販売を目論んでいるからだ。他の電力会社と差異化を図るには、全国に販売店を持ち、消費者との強力な接点を持つ携帯会社と提携し、現場の販売・営業力を高める必要があった。

ソフトバンクが求めた安定

 ソフトバンクにとっての利点は、比較的安価な電気を安定的に確保できる見通しが立つことだ。ソフトバンクは2011年、再生エネルギー発電会社を設立。その後、電力小売りを取り扱う会社も立ち上げたが、現在の発電量は微々たるものに過ぎない。2600億キロワット時以上の販売電力量を抱える東電と手を組めば、調達面での心配はなくなる。

 東電はソフトバンクだけでなく、保険会社や住宅メーカーなど、消費者との接点を持つ他業種との連携も模索する考えを示している。一方、KDDIが関電と急接近しているとの情報も浮上する。電力小売りの全面自由化まで残り1年。生き残りを賭けた各社のつばぜり合いはますます激しさを増しそうだ。
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能年玲奈 豹変させた「生ゴミ先生」の“洗脳”レッスン!

女性自身 4月28日(火)0時0分配信

 じつはいま、芸能界を揺るがす大騒動が勃発している。13年のNHK朝ドラ『あまちゃん』で大ブレイクした能年玲奈(21)。彼女が、「生ゴミ先生」という異名を持つ“謎の女性演出家”A子さんに“洗脳”されているというのだ。ことの発端は今年1月、能年が所属事務所に無断で、株式会社Mという新会社を設立したこと。

「能年さんみずから、代表取締役に就任しました。そして、もう1人の取締役がA子さんなんです。所属事務所に会社設立も知らせず、“謎の女性演出家”が取締役に名前を連ねたとあって、『あまちゃんが独立か!?』と一部で騒がれているんです」(テレビ局関係者)

 演劇関係者によると、A子さんはもともと、能年の所属事務所に依頼されて、彼女の演技指導を担当していたという。能年の所属事務所関係者は、こう話す。

「最初の講座で、人格が崩壊するほど徹底的にダメ出しをされたようです。A子さんから『あなたはこの仕事をしなければ生ゴミね!』と言われ、これが能年の心に効いてしまった。まるで教祖と信者のようになって、じつは以前から内部で心配する声が出ていました」

 こうして、「生ゴミ先生」を名乗るようになったA子さん。能年は、仕事上のことだけでなく、私生活もすべて、この「生ゴミ先生」に相談しているという。

「じつは、新宿区内にある能年さんの自宅マンションに、A子さんが引っ越す形で、同居しているという話もあるんです」(前出の演劇関係者)

 4月中旬の夕方5時過ぎ。その言葉どおりに、能年の自宅マンションから出てきたA子さんを、本誌は直撃した。
 ――能年さんが所属事務所とトラブルになっているそうですが?
 ――あなたが“黒幕”と言われています。
 ――能年さんに個人事務所設立を指南したのは、あなたですよね?
 質問を投げかける本誌記者をまったく無視しながら、A子さんは都心の大通りを足早に歩き続ける。ひと言も発しないどころか、視線すら合わせようとしないまま、記者を振り切って去っていった。芸能評論家の堀越日出夫さんが言う。

「芸能人の“洗脳”騒動自体は珍しくありませんが、アイドル女優ではほとんど聞いたことがありません。長期化すれば仕事もなくなる。このままだと“引退危機”もありえます」
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三菱UFJ、純利益1兆円超 邦銀で初、海外がけん引

2015年4月27日 23時40分

 三菱UFJフィナンシャル・グループの2015年3月期連結純利益が、同行で過去最高だった14年3月期の9848億円を上回り、1兆円を超える見通しとなったことが27日、分かった。純利益が1兆円を超えるのは邦銀では初めて。
 三菱UFJの連結純利益は1兆数百億円となったもようだ。積極的な海外金融機関への合併・買収(M&A)戦略が奏功した。資金需要が旺盛で貸出金利が国内よりも高い海外業務の収益拡大がけん引した。円安進行も海外業務の大幅増益に寄与した。
(共同)
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似鳥昭雄(27)100店達成 出店加速、年10店超す ホンダOB招き品質向上

 1998年開業の南町田店(東京都町田市)の成功はニトリの成長に弾みをつけた。それまでの収益力では年間に2~3店程度しか出店できない。だが南町田店は稼ぐ力をぐっと押し上げ、99年以降は10店超のペースに上がった。

商品力向上に貢献してくれたホンダ出身の杉山さん(右)
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商品力向上に貢献してくれたホンダ出身の杉山さん(右)
 2002年に東証2部上場をすっ飛ばし、札証上場から一気に東証1部に上場した。東証で記念に鐘を鳴らしたが、同行した家内は「あの札幌の1号店から東京。夢みたいね」と話していた。何度もつぶれそうになった創業期を思うと、さすがに感激した。

 そして03年、宇都宮市に100号店がオープン。寝ても覚めても夢見た100店。当初の30年計画より1年遅れの実現だった。だが渥美俊一先生は「欧米の経験則から言うと、画期的な経営的な効果は200店から」と言う。私も満足はしていない。100店達成のイベントは開かず、次の目標だけを見据えた。

 もっと会社を強くしなければならない。スカウト失敗で会社の危機にも直面したが、商品力のアップのため00年代初めは大手メーカーの技術者を探し求めていた。そんなとき運命の出会いがあった。

 01年、中国・広州から成田へ向かう際、隣席の乗客と骨董品の話で盛り上がった。そのうち、名刺を交換すると、隣の方はホンダの中国の現地法人「東風ホンダ」社長の杉山清さんだった。杉山さんは「ニトリの社長ですか。行ったことがありますよ。あれはヨーロッパの会社ですか」と聞いてくる。どうもカタカナなので、スウェーデンの家具チェーン「イケア」などと同じと勘違いしたようだ。

 これはチャンスだ。杉山さんは中国で工場を立ち上げ、軌道に乗せた本物のエンジニア。何としてでも招きたい。「一度工場を見学させてもらえませんか」と切り出すと、快く応じてくれた。以来、年2回は広州で工場を見学し、会食などをともにした。杉山さんは定年を迎えていたが、62歳までホンダで勤務する契約になっている。その後にニトリに招きたいと考えたが、杉山さんは引く手あまただ。

 そこで杉山さんの奥さんにも面会した。銀座でかになど北海道料理を振る舞い、こちらの熱意を見せた。杉山さんは未知の流通業より勝手知ったる製造業に傾いていたようだが、奥さんが「生活には困らないのだから、知らない世界へ飛び込めば」と背中を押してくれた。04年に顧問で迎え、05年には専務になっていただいた。社内公募で決めた「お、ねだん以上。ニトリ」のCM放映開始もこの頃だ。

 杉山さんの手腕は本物だった。07年に中国製の土鍋から鉛が溶け出していたことが分かった。新潟県の陶器業者から仕入れた商品で、焼き方が不十分だった。米国出張中だった私はすぐに飛んで帰ってきた。人体に影響するレベルではなかったが、約9千個を回収した。杉山さんはホンダOBを新たに招き、品質解析のレベルを一気に上げた。

 今では商品に工場レベルで異物が入ったのか、故意に混入したものかどうかまで分かる。お客様相談室を含めた安全・安心に関係する社員は国内だけで300人いる。過去4年、大規模リコールは発生していない。数々の失敗はニトリを大きくしたが、土鍋事件は「お、ねだん以上」実現への教訓になった。

(ニトリホールディングス社長)
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幻に終わった「NTT対抗軸」 電力系めぐり曲折…違いすぎた企業文化

2015.4.27 06:34

 ■【通信大競争 30年攻防の行方】(6)

 東京通信ネットワーク(TTNet)の初代社長だった藤森和雄の告別式が3月初旬に行われた。通信市場自由化後30年を目前にした逝去だった。

 藤森は、東京電力が1986年に設立したTTNetに副社長から転じた。豪放磊落(らいらく)な性格で、「NTT対抗の本命は電力系だ。他の新電電はつぶす気で攻める」といった刺激的な発言が先行し、第二電電(DDI)や日本テレコムの経営陣の神経を逆なでした。

 DDIや日本テレコムがゼロから通信網を構築したのに対し、電力系の地域通信子会社は電力業務用光ファイバーを活用できる優位性があった。当時のNTT幹部も「怖いのは電力系」と認めていただけに、藤森の言動は注目された。

 藤森は電力系通信事業者を統合し、NTTに対抗する全国ネットワークを構築する考えを持っていたが、道半ばで経営から退いた。その後、2001年には電力会社の共同出資で法人向け通信サービス中心のパワードコムが発足したが、本格的な一本化は実現せず、06年にはKDDIに買収された。藤森が描いた「NTT対抗軸」は幻に終わった。

 DDI、KDD、日本移動通信の3社が合併して00年に発足したKDDIは、次のステップとして電力系情報通信事業者との提携を目指した。電力系の光ファイバー網でNTTに対抗するのが最大の狙いで、パワードコム買収はその第1弾だった。

 当時、社長の小野寺正(67)は合併会見で、「トップ同士で合意すれば資本提携などの方向に持っていきたい」と述べ、電力系との包括提携に意欲を示した。

 しかし、それから約10年、KDDIの携帯・固定通信のセット割引「スマートバリュー」の販売で電力系との協力関係こそ広がったが、本格提携には至っていない。

 違いすぎる企業文化

 インターネットイニシアティブ(IIJ)会長の鈴木幸一(68)も「打倒NTT」を唱え、電力会社の光ファイバーに目をつけてきた一人だ。1993年11月、日本企業で初めてインターネットの商用サービスを始めたIIJは、通信市場が電話からインターネットに比重を移す中で、存在感を高めることになる。

 DDIや日本高速通信など日本を代表する企業連合として発足した新電電各社の通信事業参入を、鈴木は「名ばかりの競争」とバッサリ切る。NTTと同じサービスを少し安く売るだけの新電電に歯がゆさを感じていた。

 鈴木は自社のインターネット技術と、全国に20万キロ以上の光ファイバー網を持つ電力系通信事業者との組み合わせでNTTに対抗するという構想を藤森や東電副社長だった山本勝(故人)に語り、02年夏にはIIJとパワードコムが「将来の合併を視野」に入れた提携で記者会見した。

 しかし、「うちに通信のプロはいないから鈴木さんに任せたい」と言うほど鈴木を買っていた山本が、前年に死去。後に社長となる勝俣恒久副社長(75)が山本の後任となって交渉は続くが、合併は実現せず、03年には交渉が打ち切られた。

 鈴木は交渉決裂の理由について「勝俣さんは(合併に)慎重だったようだ」と多くを語らないが、当初から「企業文化が違いすぎる」などと相性の悪さが指摘されていた。

 鈴木は会見日の夜、NTT幹部と飲んだことについて、著書「日本インターネット書紀」に書いている。

 《この提携話に最も神経をとがらせていたNTT幹部の高部さんや和才博美さんたちと飲み明かした。(中略)「なにより問題なのは、そもそも鈴木さんの激しい性格で、東電という巨大な官僚組織とうまくやれるはずがない。(中略)電力というのはNTTよりはるかに官僚的なのだから(中略)」と、高部さんの舌鋒(ぜっぽう)はいつも鋭い。

 「もしうまくいって、軌道に乗るようなら、NTTも再々編をやらないと対応できないけれどね」》

 敵の傘下で業績安定

 NTT副社長の高部豊彦(68)と和才博美(68)がそろって、鈴木に電力系との合併を思いとどまるよう話をしていたのは、その後のNTTとIIJの関係を考えると興味深い。

 パワードコムとの合併が白紙に戻り、通信基幹網を持つ子会社クロスウェイブコミュニケーション(CWC)の経営再建が急務となってきた03年春、鈴木はNTT社長の宮津純一郎に呼ばれた。

 宮津は「困ってんだろ。IIJと研究所を一緒にしないか。社名はIIJのままでいい。出資比率は6対4でどうだ」と、べらんめえ調で鈴木に合併を持ちかけてきた。

 「まだ、自力でがんばれる」と思っていた鈴木は申し出を断った。しかし、その半年後にはCWCが倒産し、NTTグループがIIJの第三者割当増資を引き受けて31%強の筆頭株主となった。次いで、CWCをNTTコミュニケーションズに100億円で営業譲渡。高部が主導した支援スキームだった。
 インターネット接続サービスで先陣を切り、「打倒NTT」に執念を燃やした鈴木だが、皮肉にもNTTの傘下に入ってIIJの業績は安定した。

 IIJとパワードコムの提携会見の前年、ソフトバンクが電話回線を使った「ADSL(非対称デジタル加入者線)」方式によるブロードバンド(高速大容量)通信サービス「ヤフーBB」を開始。通信業界が大きく変貌しようとしていた。(敬称略、年齢は現在)
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ソニー、営業益3000億円 16年3月期4倍強に ゲームなど好調見込む

2015/4/25 2:00

ソニーの2016年3月期の連結営業利益は約3000億円と前期の4倍強に増える見通しだ。08年3月期(4752億円)以来の水準になる。パソコン事業売却、スマートフォン(スマホ)事業の減損損失などリストラ費用の計上が一巡し、画像センサーやゲームといった得意分野で稼ぐ態勢が整いつつある。


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 電機大手では、不採算事業整理などの構造改革をいち早く終えた日立製作所や三菱電機が最高益水準にある。エレクトロニクス事業の立て直しに手間取り周回遅れのソニーも、ようやく再成長のスタート地点に立つ。
 今期は世界シェア首位の画像センサーがスマホ向けに伸びるほか、累計販売台数がシリーズ最速の2000万台を突破した「プレイステーション4」、音楽や映画関連も好調が続きそうだ。

 増益の最大の要因は前期に3350億円、5年間で7000億円強に上ったリストラ費用が大幅に減ることだ。テレビなどの販売会社の人員削減に取り組んできた結果、今期は約600億円のコスト効果が出る。

 一方、対ドルの円安、対ユーロの円高で輸出入採算が悪化し、1000億円規模で利益が押し下げられる見通しだ。平井一夫社長は「営業利益4000億円」の目標を昨年春に掲げていた。
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動画投稿サイト「FC2」社長ら逮捕 公然わいせつ疑い

2015/4/23 13:10

インターネット動画投稿サイト「FC2」を使った公然わいせつ事件に関与したとして、京都府警と三重、島根、山口、高知各県警の合同捜査本部は23日、FC2を実質的に管理運営していたとみられるネット関連サービス業「ホームページシステム」(大阪市北区)の社長の足立真容疑者(39)と、元社長でFC2創業者の弟の高橋人文容疑者(38)を公然わいせつの疑いで逮捕した。

 捜査関係者によると、FC2は米国に法人拠点を置いており、海外に拠点を置く動画投稿サイトの運営側の逮捕は全国初。捜査本部は同日、ホームページシステム本社などを家宅捜索した。2人は「容疑事実は間違いです」などと否認している。

 逮捕容疑は、FC2のサービスの一つ「FC2ライブ」の登録会員で、ネット上で「帽子君」と名乗った元ライブチャット配信業の男ら2人と共謀。昨年6月、大阪市北区で、女性との性行為を撮影した動画を有料配信し、不特定多数の視聴者らに観覧させた疑い。

 元ライブチャット配信業の男は公然わいせつなどの罪で起訴され、京都地裁で昨年12月、懲役3年、執行猶予4年の判決を言い渡されている。

 捜査関係者によると、FC2のユーザーは2千万人以上とみられ、動画投稿サイトのアクセス数は3月現在で国内4位。〔共同〕
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日本の通信技術“世界初”だけでは通じず PHS、キャプテン…営業戦略も重要

2015.4.23 06:34

【通信大競争 30年攻防の行方】(3)

 1995年8月16日の朝、第二電電(DDI)副社長の千本倖生(72)は青ざめた。自ら事業を立ち上げて7月に始めたばかりのPHSサービスが停止し、通話できなくなったためだ。基地局の数に対し制御するソフトの能力が追いつかず、電波の同期が取れなくなったのが原因だ。千本は必死で修復作業を指揮したが回復したのは5日後だった。

 稲盛和夫(83)に請われてNTTを辞め、DDIの創業に携わった千本にとって、PHSは携帯電話に対抗するサービスの柱だった。全国展開の矢先につまずいたものの、PHSはその後、音質の良さや割安感から契約数を伸ばし、日本発の通信規格として海外普及も期待できる「次世代通信技術の本命」ともてはやされた。

 パケット通信やカメラ付き端末、スライド式キーボード装備のスマートフォン…。いずれもPHSが携帯電話に先行して実用化した技術だ。自販機など機器同士が直接通信する「組み込み型機器」の分野でも、割安なPHSが先陣を切った。一時はDDI子会社のDDIポケットのほかNTTパーソナル、アステルグループの地域会社約30社が携帯電話の対抗サービスとして売り出した。

 携帯電話と明暗

 しかし、携帯電話の普及が進み、PHSの隆盛は続かなかった。郵政省(現総務省)は当時、2010年にPHS契約数が3300万件に達し、携帯電話並みに普及すると予想した。行政の期待の高さが分かる数値だ。しかし結果はPHSが375万件に対し、携帯電話は1億1950万件と大きく明暗を分けた。
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日本初の月面着陸機、18年度にも打ち上げ JAXA

2015年4月20日19時23分

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、無人の月面着陸探査機を早ければ2018年度に打ち上げる計画を検討していることを明らかにした。成功すれば日本初の探査機の月面着陸になる。将来の月や火星探査に向けた技術確立につなげる目的だ。

特集「もっと!ロケット」
 文部科学省の専門家委員会で計画を報告した。計画中の小型探査機は、誤差100メートル単位でピンポイントに着陸可能な「SLIM」。小型のイプシロンロケットを使って打ち上げ、月を周回して観測した日本の探査機「かぐや」が見つけた縦穴周辺への着陸を検討している。

 月面への無人機着陸は旧ソ連や米国、中国が成功しているが、着陸地点の誤差が1キロ以上あった。SLIMは月の表面を撮影しながら月面に近づき、障害物を避けて「降りたい所に降りる」ことを目指す。その際、デジカメの顔認識技術も活用する。着陸技術の実証以外の任務の追加も検討している。
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五輪の最高位スポンサー13社に 三井不動産が協賛契約

04/20 17:51、04/20 17:56 更新

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と三井不動産は20日、都内で国内最高位スポンサー「ゴールドパートナー」の契約を締結した。契約業種は不動産開発。組織委は三つのランクに分けて国内の協賛企業を集めており、1社150億円以上を目標に設定した「ゴールド」は計13社となった。

 三井不動産は選手村を含む湾岸地区や明治神宮外苑地区の開発に携わっている。菰田社長は「スポーツや文化が浸透し、五輪が行われたという時の記憶を残す街づくりを進めたい」と話した。

 同社は大会ロゴやスローガンを広告で使用する権利や、五輪とパラリンピックの日本代表選手団への協賛権を得る。
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元NHK神田愛花アナ バナナマン日村との交際“騒動”を謝罪

 お笑いコンビ「バナナマン」の日村勇紀(42)との交際が17日発売の「フライデー」(講談社)が報じられた元NHKのフリーアナウンサー・神田愛花(34)が同日朝、自身のツイッターを更新。「今日は朝からお騒がせしてしまい、申し訳ありません」とニュースの主役になったことを謝罪した。

 「おはようございます!今日は朝からお騒がせしてしまい、申し訳ありません。今日も1日、全力で頑張ります!」

 同誌は日村の自宅マンションに神田がたびたび宿泊する様子などを報道。日村の所属事務所は「よいお付き合いをさせていただいております」、神田の所属事務所は「大人なのでプライベートは本人に任せていますが、いいお付き合いをさせていただいていると聞いております」とした。
[ 2015年4月17日 17:37 ]
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自由化まで1年、日本の急所を握る「11番目の電力」

2015/4/17 6:30日本経済新聞 電子版

 電力の全面自由化まであと1年。電力大手10社に次ぐ「11番目の電力会社」の座をうかがう新規参入組の動きが目まぐるしい。そのなかで、ある新規参入者のポジションが興味深い。計画中の発電所が日本の急所の命運を握る存在になりうるからだ。

■「二刀流」の発電所

電力の全面自由化をきっかけに、日本のエネルギー業界の秩序は変わっていくのか(写真は中部電力の上越火力発電所、新潟県上越市)
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電力の全面自由化をきっかけに、日本のエネルギー業界の秩序は変わっていくのか(写真は中部電力の上越火力発電所、新潟県上越市)
 その発電所の構想を温めているのは、メジャー(国際石油資本)の米エクソンモービルから独立した東燃ゼネラル石油。静岡市内に「清水天然ガス発電所(仮称)」と呼ぶ火力発電所を建設する方針を打ち出している。

 発電能力は最大200万キロワットと原発2基分で、運転開始は6年後の2021年4月の予定。つくった電気の一部は自ら売ることを想定しているとされる。一見すると、新規参入の動きの一つにすぎないように思えるが、ある電力大手の元首脳は興味津々に語る。

 「うまくやれば、あの発電所は『二刀流』になるからね」

関連記事
・4月16日 日経朝刊1面「電力、東西融通2.5倍に」
・4月16日 日経朝刊13面「東電・中部電、同床異夢の『火力統合』新会社」
・1月29日 日経朝刊15面「東燃ゼネがLNG火力、最大200万キロワット」

 はて、二刀流? 日本地図を広げてみると、そう呼ばれる理由が分かりやすい。建設を予定する静岡市は、電気の周波数が50ヘルツの東日本、60ヘルツの西日本の2つの地域の中間地点といえ、双方に電気を供給しやすい好立地なのだ。

武類雅典(むるい・まさのり) 92年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て電子編集部次長。企業報道部を兼務。「ソニーとSONY」(日本経済新聞社、2005年)などを執筆。専門は企業ニュース。
武類雅典(むるい・まさのり) 92年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て電子編集部次長。企業報道部を兼務。「ソニーとSONY」(日本経済新聞社、2005年)などを執筆。専門は企業ニュース。
 東日本大震災が起きた4年前、被災地や首都圏を襲った電力不足による混乱は記憶に新しい。電気に余裕があった西日本から東日本に電気を送ろうとしても、十分に送れず、東京電力管内は計画停電に見舞われた。

 最大の原因は、東西間で電気をやりとりするために周波数を変換する設備や送電線の能力不足にあった。その点、東燃ゼネラルの清水天然ガス発電所が地理的優位を生かしたビジネスモデルをつくれば、東西間の「周波数の壁」は低くなる。

 二刀流発電所のアイデアは実に面白い。しかし、そう思わせること自体は大きな問題だ。裏を返せば、東日本大震災から4年が過ぎても、周波数の壁など日本の電力インフラの問題がいまだ数多く残っていることを意味しているからだ。

 今国会の焦点の一つは、電力大手の発送電分離を盛り込んだ電気事業法の改正とされる。「悪魔は細部に宿る」という慣用句が脳裏をよぎるが、電力小売りの全面自由化も2016年4月にスタートする。ざっくり言えば、電力の競争政策の議論は最終コーナーに入りつつあるのかもしれない。

■新規参入組の存在意義

 一方、電力インフラそのものを再設計していくための議論は道半ばだ。国民の間で意見が割れる原発をどう扱っていくか。太陽光など再生可能エネルギーをどう普及させればよいのか。日本のエネルギーの将来を考えると、全体像はまだ固まっていない。そして、東日本大震災のような災害が起きても安心できる「強い電力インフラ」が完成したわけでもない。

東日本大震災の直後、計画停電で明かりが消えた住宅地(2011年3月18日、東京都足立区)
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東日本大震災の直後、計画停電で明かりが消えた住宅地(2011年3月18日、東京都足立区)
 国や電力大手は、東日本大震災直後の計画停電や深刻な電力不足への反省から、東西間の送電能力を高めるため、周波数を変換する設備や送電線を増やそうとしてきた。現段階で着工準備中の分が完成すると、東西間の送電能力は現在の120万キロワットから210万キロワットに増えるが、2020年度末が目標。まだ先のことだ。

 経済産業省は、さらに300万キロワットへの増強を目指しているが、実現しても2020年代後半という。具体的な計画づくりはこれからで、先行きは見通しにくい。だからこそ、二刀流発電所の存在意義はある。

 国の政策は、すべてを一気に解決できる魔法のつえではない。それを補えるとしたら、民間の創意工夫にほかならないが、電力大手から出てくるアイデアには限界がある。むしろ、変革を恐れる面もある。電力自由化のメリットはいろいろとあるが、その一つは新規参入者の企業家精神を取り込むことにあるはずだ。

 新規参入組には、ガスや石油のエネルギー大手のほか、製造業からサービス業まで様々な業種の企業が名を連ねる。電力大手にはない強みや発想力を発揮できれば、事業規模以上の存在感をもつだろう。そんな新規参入者こそ、「11番目の電力」と呼ぶにふさわしい。
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『めざまし』牧野結美アナの「意外すぎる」素顔をフライデーが掲載

FRIDAY 4月10日(金)7時20分配信

ついに全国区に! カルト的人気でフジが大抜擢したカワイすぎる女子アナ
この春、新人アナ以上に注目を集めているのがフジテレビの早朝の情報番組『めざましテレビ アクア』のメインキャスターを3月末から務めている牧野結美アナ(25)だ。

ピンとこない人もいるかもしれないが、実は彼女、ネット上でカルト的な人気を誇っている女子アナなのである。

「2010年のミス同志社大学で、静岡朝日テレビに入社した2012年当初から、カワイすぎると評判でした。しかし全国的にブレイクしたのは、あるニュース番組がきっかけです」(テレビ局関係者)

それは彼女が新人時代に担当したローカルニュース。放送中、何度も原稿読みを間違え、「かいしゃい(開催)されてます」「~でしゅ」と、カミまくり。この様子が動画サイトに投稿されるや、一所懸命な姿が「萌える」「守ってあげたい」と、一気に人気が全国区になったのだという。

今年2月に彼女は静岡朝日テレビを退社、フリーアナとなるとさっそくフジテレビの朝の顔に大抜擢されたのだ。

3月30日、『めざましテレビ アクア』の初回放送を終えた牧野アナは、朝9時前には帰宅した。次にフライデーが彼女の姿を見たのは、夜11時過ぎのゴミ出し場面。貴重なスッピン姿で髪はボサボサ、しかも、短めのコートをバースローブのように着こなし美脚も披露する無防備っぷりなのだ。

ファンが「守ってあげたい!」と夢中になるのも「意外すぎる素顔」を見れば、納得である。まもなくブレイク確実の女子アナ、まずはフライデー&朝のフジテレビで、チェックしてみては?
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大人のソフトバンク、「寝たふり」宣言に込めた深謀

2015/4/6 7:00日本経済新聞 電子版

 やんちゃなソフトバンクは、どこへ消えたのか。米携帯電話3位スプリントの大型買収以来、価格競争をしかけてライバルたちを揺さぶるような積極策が影を潜めている。社長の孫正義が「平時は寝たふり」ととぼける裏で、何が起きているのだろうか。

■大人の「根回し」

決算発表で記者の質問を聞くソフトバンクの孫正義社長(2014年8月、東京都港区)
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決算発表で記者の質問を聞くソフトバンクの孫正義社長(2014年8月、東京都港区)
 年明け早々の霞が関。孫の懐刀として知られるソフトバンク副社長の宮内謙は通信政策を管轄する総務省を隠密で訪れた。目的は、孫らと決めた事業再編の腹案にお墨付きをもらうためだった。

 「4社を合併させることにしました」――。宮内が説明した腹案とは、ソフトバンクグループの主要子会社の統合シナリオだった。

 4社とは、携帯のソフトバンクモバイル、ワイモバイル、固定通信のソフトバンクテレコム、ソフトバンクBBのこと。実は、ソフトバンクの担当者が昨秋から足しげく総務省に通い詰め、慎重に感触を探ってきた。

 それだけ、ソフトバンクが気をつかっているのも、総務省が携帯電話サービスに不可欠な電波の割り当てをつかさどっているからだ。「通信の番人」にグループ再編案を納得しておいてもらわないと、後々しこりを残す恐れがある。ライバルの通信大手幹部から見ても、ソフトバンクの根回しは、大人の振る舞いだった。

 ソフトバンクと総務省との関係はもともと、蜜月とはいえない。民主党政権の時代には、総務相だった原口一博らと「対NTT」で連携したこともあるが、総務省に接近することは極めて珍しい。むしろ、孫は何度も総務省に食ってかかってきた。

 「ガソリンをかぶり、火をつけて死ぬ」。孫は2001年にADSLサービスで通信ビジネスに参入したとき、こんな物騒な発言を公の場で口にしたことがある。「総務省側の対応があまりにひどい」と腹を据えかね、イライラを爆発させたのだった。

 それ以降も、孫は挑発的な言葉で総務省を揺さぶってきた。時には「電波の割り当てを密室で決めている」「行政訴訟を起こして徹底的に争う」などと責め立てた。

 孫とソフトバンクが、なぜ、今回は周到に立ち回ったのだろうか。変節の裏には、4社を是が非でも合併させたい事情を抱えていた。

■拡大一辺倒のツケ

 昼夜問わず人がごった返す東京・六本木の交差点を眺めてみると、すぐに理由は分かる。

 交差点をぐるりと囲むように、ソフトバンクグループの携帯電話ショップ「ソフトバンク」1店と「ワイモバイル」2店がにらみ合う。ある役員は「いっそのこと、残りの1カ所も出してしまおうか」と冗談交じりに話すが、こんな非効率な店舗の配置は、決して笑える状況にない。店舗の重複は、拡大一辺倒の戦略の末に生じてしまったムダを象徴するからだ。

 ソフトバンクは2004年に日本テレコムを買収。その2年後にはボーダフォン日本法人を傘下に収めた。2013年には携帯4位のイー・アクセス、PHSのウィルコムも手中にし、巨大な通信王国を築いたが、負の側面は残る。度重なるM&A(合併・買収)で携帯の店舗数はどんどん増え、グループ全体で見ると今や約3700店とNTTドコモの1.5倍に膨らんでいるのだ。

相次ぐM&Aで店舗網を広げたが、ソフトバンク販売店(右)やワイモバイル販売店(左奥)が重複する地域が目立ってきた(東京・六本木)
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相次ぐM&Aで店舗網を広げたが、ソフトバンク販売店(右)やワイモバイル販売店(左奥)が重複する地域が目立ってきた(東京・六本木)
 「拡大に次ぐ拡大でヒトやモノがだぶついているのではないか」

 ライバル企業の幹部は、こういぶかる。そんな“過剰資産”を整理するための第一歩が4社の合併シナリオだったのだ。

 結局、予定通り、4社は4月1日付で合併した。ソフトバンクモバイル最高財務責任者(CFO)の藤原和彦は「リストラありきではない」と話すが、これで重複していた店舗や人員などの合理化を進めやすくなったのは事実だ。

 孫も「(国内事業は)キャッシュを安定して生み出す収穫期に入っていく」と国内事業の行方に自信を示しているが、昨年までのソフトバンクが神経を集中させていたのは、国内の通信事業ではない。4社合併などで国内の足場固めを急ぐ事情は別のところにあるのではないか。

■近づくスプリントの4位転落

 それは、孫の関心が向かっていた米国事業。つまり、2013年に買収した米携帯電話3位のスプリントの予想以上の苦戦だ。

 「4位のTモバイルUSは3位のスプリントをいつ追い抜くのだろうか」。米国の株式市場では今、こんな逆転劇が起きるのは時間の問題、と言われている。

 それもそのはず。スプリントの契約件数は昨年末で5592万件だったのに対し、Tモバイルは5501万件とその差は91万件しかない。ほんの1年前は、スプリントがTモバイルに867万件の差をつけていたのに、肩を並べられてしまっているのだ。

 ソフトバンクがスプリント買収に投じたのは1兆7000億円。そんな巨額の資金をつぎ込んだのに、いまだ業績は低空飛行が続く。4位転落も近づいている。スプリント買収の誤算こそ、ソフトバンクにとって最大の悩みのタネになっている。

 孫も手をこまぬいていたわけではない。昨夏にはスプリントの最高経営責任者(CEO)に、傘下に収めた携帯電話卸会社ブライトスター創業者のマルセロ・クラウレを起用。ボリビア出身で「山賊のような見た目」と孫が評する2メートルの大男に再建を託した。

 クラウレはトップ就任以降、上位2社からの乗り換え客の料金を半額にするキャンペーンなどで攻勢をかけているが、販促とネットワーク投資で手元資金は流出が止まっていない。ソフトバンクの秘策だったTモバイルの買収構想は、米国の規制当局から事実上の「待った」をかけられ、昨夏にあきらめた。

店舗や営業担当も増やし、反転攻勢に出る(米カンザスシティーのスプリント販売店)
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店舗や営業担当も増やし、反転攻勢に出る(米カンザスシティーのスプリント販売店)
 「もともと上位2社との競争には合併が必要だと主張してきたが、米国政府が受け入れる様子がなく、いまは独力で改善しなければならない。苦しくて長い戦いが続く」。強気でならす孫が、こんな弱音をもらしたこともある。

 来年の米大統領選で共和党候補が勝てば、Tモバイル買収を阻んだ米連邦通信委員会(FCC)など規制当局の体制が一新され、再び買収実現の可能性が出てくるが、うまく事が進むとは限らない。

 逆に、日米メディアでは最近、「スプリント売却説」がささやかれる。孫自身は、スプリントを手放す可能性を尋ねられると、「上場会社なので余計なことはあまり言わない方がいい」と口を濁し、微妙な言い回しに終始するようになった。

■「無理して安い料金は出さなくていい」

 そんなスプリント再建の突破口が見つからず、今のようにジリジリと後退するような事態が続けば、その分、大黒柱である国内事業の収益への依存が強まっていくことは確実だ。それは、ソフトバンクの国内戦略に、すでに影を落としている。

 ドコモが話し放題の通話定額プランを出した昨春。ソフトバンクの複数の幹部は意外な言葉を連発した。

 「(料金水準で)NTTドコモやKDDIの下をくぐる必要はないよ。すでに一定のシェアを取っている。無理して安い料金を出して追いかける段階じゃない」

 価格競争とは一線を画す、という今までにない判断だった。ドコモが光回線と携帯を組み合わせた「セット割」の料金戦略を練っていた今年初めも、ソフトバンクの幹部たちは似たような反応を示した。

 結果的としてソフトバンクの料金は、通話定額プランも、セット割とも、料金はライバル2社と同水準に落ち着いた。ソフトバンクがADSLや携帯電話に参入したとき、他社を圧倒する低価格戦略で業界を席巻し、シェアを奪ったのがウソのようだ。

 2月の決算説明会。孫は「最近、国内事業がおとなしいのではないか」と質問され、「波乱に強いソフトバンク。平時は寝たふり。何か大きな転換点があればダイナミックに挑戦する」と切り返した。事実、攻めに転じる準備は怠りないが、それは日本国内の話ではない。やはり、国外、それも米国というより、新興国だ。

■「頭をフル回転させているときのくせだ」

成長の舞台はインドなど新興国に移っていくのか(インドのモディ首相と会談する孫正義社長(左)、2014年10月)
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成長の舞台はインドなど新興国に移っていくのか(インドのモディ首相と会談する孫正義社長(左)、2014年10月)
 孫は米国でTモバイルの買収が難しいと判断するやいなや、高成長が見込めるアジア地域のネット企業に照準を定めた。インドのネット通販大手スナップディールへの出資など2000億円規模のM&Aに相次ぎ踏み切っている。

 ソフトバンクの有利子負債は昨年末で10兆円を突破したが、昨年末と今年2月に立て続けに個人向けの劣後債を発行し計8500億円を調達した。ソフトバンクの「金庫番」である取締役の後藤芳光は「資金調達も使い道も、頭の体操を含めて様々に検討している」という。3割強を出資する中国・アリババ集団株の含み益も約8兆円ある。

 金融市場もソフトバンクの地力を測りかねている。BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈は「普通の会社であれば、とにかく借金を減らすべきだ。ただし、孫社長であれば、さらにリスクのある勝負に打って出る可能性がある」と話す。

 ソフト流通、出版、ネットビジネス、ブロードバンド、携帯――。孫は1981年のソフトバンク創業から30年余りの間に主力事業を次から次へと変え、世界有数の通信会社に成長させた。

 その孫は最近、遠くを見つめて物思いにふける時間が増え、メールに返信しないケースもあるという。何かつきものが落ちたようにも思えるが、孫の側近によると、そんな様子は決して初めてのことではない。

 「これまでも何度かあったことですよ。彼の前に様々な選択肢があって、頭をフル回転させているときに出るくせです」

 大勝負に出るタイミングが再び訪れているのだろうか。孫の黙考の理由が明らかになる日は、そう遠くないのかもしれない。

=敬称略

(小泉裕之)
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