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ドコモの「dマーケット」契約数1,500万件を突破 - 「dマガジン」は300万件

[2016/03/23]

NTTドコモドコモは22日、「dマーケット」で提供する「dTV」「dヒッツ powered by レコチョク」「dアニメストア」「dキッズ」「dマガジン」「dグルメ」の6サービスの合計契約者が2016年3月18日に1,500万件を突破したと発表した。

「dマーケット」は、様々なコンテンツや商品を提供する月額定額制のサービス。音楽聴き放題の「dヒッツ」や動画が見放題の「dTV」、レストラン情報や全国の飲食店で使えるクーポンなどを利用できる「dグルメ」など6つのサービスで構成されている。

ドコモによると、雑誌160誌以上(バックナンバーを含めると1,000冊以上)が、月額400円で読み放題となる「dマガジン」が好調で、2016年3月13日に300万契約を突破したという。
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フジ、落ちたブランド 「勝者」の呪縛 復活に壁

視聴率3~4位 低空飛行

2016/3/20 6:30日本経済新聞 電子版

フジテレビジョンが迷走している。ドラマやバラエティー番組で数々のヒットを生み出し、民放の代表格だったのに今や視聴率は民放キー局で3~4位と低空飛行。首位の日本テレビ放送網に大きく差をつけられた。何もせず傍観しているわけではない。新しいことに挑戦しても空回り、番組改編でテコ入れしても結果が出ない。若者のあこがれだったフジテレビに復活の日は来るか。

■大胆改編、ターゲットの若者に響かず

 「スタンバイお願いしまーす!」「カットー!」。6日、フジの湾岸スタジオ(東京・江東)。監督やカメラマン、照明、美術などスタッフが慌ただしく動き回る。4月に始まる日曜9時の新ドラマ「OUR HOUSE(アワーハウス)」の撮影現場は活気にあふれていた。

日曜9時のドラマにはシャーロットさんが出演(東京都江東区)
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日曜9時のドラマにはシャーロットさんが出演(東京都江東区)
 主役は幅広い層に人気の芦田愛菜さんとシャーロット・ケイト・フォックスさん。東京・世田谷を舞台に家族の愛情を描く物語で日曜9時のドラマは3年ぶり。番組改編の看板と目されている。

 7日の改編説明会で宮道治朗編成部長は「テーマは『PLAY!(プレイ)』。我々自身もっとテレビを楽しんで新しい何かを始めようという決意だ」と強調した。狙うのは49歳以下の世代だ。

 今回の改編は大胆だ。長年続いた昼のトーク番組「ライオンのごきげんよう」と昼ドラマ枠を打ち切り、平日は早朝4時から夜7時まで15時間生放送が続く。事件や芸能ニュースに「素早く柔軟に対応する」(宮道氏)。

 深夜のスポーツ番組「すぽると!」も終了。午後11時台に大型情報番組「ユアタイム~あなたの時間~」を始める。火曜、金曜、土曜の午後7時には新たなバラエティー番組を投入する。


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 ゴールデン(GT、午後7時から10時)のフジの改編率は36.0%。日テレ(9.8%)やTBS(24.0%)に比べて大きい。2015年10月もフジはGTで31.7%を改編。15年4月も43.8%と大幅に改編した。

 それでも結果が出ない。タモリが司会を務めた名物番組「笑っていいとも!」の後継「バイキング」など軒並み不振だ。

 「フジテレビ、どうしちゃったんだ!」。キー局で長く最下位だったテレビ東京に昨年、GTの視聴率で抜かれた時は業界内外で話題となった。

 フジはこれまで圧倒的な存在感を放ち、特に若い世代の支持を集めてきた。1980年代前半は漫才ブームを追い風に「オレたちひょうきん族」でファミリー層をくぎ付けにし、90年代は月曜9時の恋愛ドラマ「東京ラブストーリー」などが大ヒット。ドラマといえば「月9(月曜9時)」といわれ、トレンディードラマはブームとなった。

 全日(午前6時~午前0時)、GT、プライム(午後7時~午後11時)帯の全てで視聴率1位を取ることを意味する「年間三冠王」を82年から93年まで12年連続、2004年から10年まで7年連続で獲得した。

 11年以降、首位から転落した。手は打ってきたが20~30歳代の支持が得られない。1日6時間ほどテレビを見る都内の会社員、田崎理紗さん(29)は「最近のフジテレビは内容やキャストはいいのに控えめな印象。もっと思い切った番組が見たい」と言う。

 もっとも少子高齢化が進む日本で視聴率を取るには、幼少時からテレビを見て育ち、フジの黄金期を支えた中高年をつかむ必要がある。数年前にフジも一時、中高年も追う番組編成に転じたが、「ターゲット層が明確でない番組を一部制作してしまった」(宮道氏)と、その後は再び49歳以下にフォーカス。視聴率低迷が続いている。

番組改編を発表するフジテレビの宮道編成部長(右)(7日、東京都港区)
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番組改編を発表するフジテレビの宮道編成部長(右)(7日、東京都港区)
 フジのこだわりの背景に、現経営陣・幹部がトレンディードラマの全盛期に現場を仕切った成功体験を持つことを挙げる関係者は多い。局内では「人口が減っても流行を生み出すのは若い世代」という声も根強い。

 勝者のおごりも大きいだろう。野村証券の長尾佳尚アナリストは「フジは勝ち続けてきた。だからこそ番組の企画力がいつの間にか低下し、時代の流れに対応できなくなった」と指摘する。作家の樋口毅宏氏も著書「タモリ論」で「フジテレビは、結局はBIG3(タモリ、ビートたけし、明石家さんま)を超える『新しい神様』を作り出せなかった」と指摘する。

 とがったイメージの強い成功したブランドがいつの間にか支持を失い、何をやっても空回りしてしまう――。悶(もだ)え苦しむフジの姿はウォークマンで世界の若者の心をわしづかみにしながら、その後長く低迷したソニーと重なる。そのソニーはこの春、初めて有料老人ホームを新設する。

 フジはどうか。今後も若者狙いで「フジらしさ」にこだわり続けるのか。視聴率優先で対象を広げるのか。いずれにしても視聴者に「刺さる」には改編率の大きさではなく、中身をどう振り切るかが大切だ。

 視聴率低迷はスポンサー離れを招く。15年4~9月期は初の営業赤字に転落した。収益は制作費に直結する。視聴率の回復、特にバラエティーでのファン獲得は急務だ。「とにかく視聴習慣につなげることが大事」(亀山千広社長)。遠藤龍之介専務は「今は昔の3倍努力しないとヒット番組が生まれない。もう一度テレビから時代の流れを作りたい」と話す。

フジはネット配信にも積極的だ。昨年秋に日本に上陸した動画配信の世界最大手、米ネットフリックスと民放大手でいち早く提携。2月から新作恋愛ドラマ「グッドモーニング・コール」を配信し、アジア各国でも視聴できるようにしている。

 山口真コンテンツ事業局長は「広告費の大きな伸びが期待できないなか、ネット配信や海外展開は生き残る道だ」と話す。若者向けのコンテンツで海外を開拓し、日本では知名度を生かしながら世代構成を意識した番組編成を進める。フジの試行錯誤はまだ続きそうだ。

(細川倫太郎)

◇           ◇

■トップブランドの悲劇 破壊後の創造見えず

 フジテレビはかつてテレビの枠を超えていた。まさに笑いからドラマ、ファッション、アイドル、深夜の楽しみ、男女関係まであらゆるライフスタイルを提示する若者のオピニオンリーダーだった。視聴者はそんな世界に中心に座すフジテレビという企業にもあこがれた。まさにトップブランドの象徴だった。


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 そのフジテレビが視聴率の低迷に苦しむ。ランキングを見ても上位にあるのは「サザエさん」だけという日も珍しくない。強かったドラマはテレビ朝日とNHK、バラエティーは日本テレビとTBS、お笑いは分散。チャレンジングな番組はテレビ東京と、フジテレビは強みを失った総合スーパーのようだ。

 フジテレビの制作費や人材が他局より劣っているわけでもないし、大きな不祥事が起きたわけでもない。インターネットの普及と若者のテレビ離れ、新聞のフジの番組表が端に移動したこと、過去の成功体験――。様々な変化が絡み、飽きられたメディアの巨人。むしろ悲劇なのははっきりとした原因が分からないまま、ブランド価値が低下している点だ。

 ブランドというのは企業の所有物を超えて顧客の心理に根ざす無形資産。強いブランドというのは顧客から愛される一方で、巨人軍のように嫉妬や嫌悪感を持つアンチも生む。勢力が盛んなときはマイナス評価を跳ね返すが、力を失うとあこがれは薄れ、反感が相対的に大きくなる。

 フジテレビの姿はソニーや日本マクドナルド、三越などにも似ている。先端的な生活を演出するドラマ、ウォークマン、米国の生活様式、高級品など新たな市場を創造し、顧客を魅了。強力なブランドを作り上げた。

 だが次第に顧客心理の中で分裂が起きる。新たな価値は出せないのに、ブランド攻勢だけを仕掛けてくる。「ソニーだから、三越だから」買うというのは最初だけ。期待値とブランド力との乖離(かいり)が生じ、じわりと顧客離れが進んでいく。市場を先取りしてトップブランドの名誉は勝ち取ったのに、その後はライバル企業や市場ニーズへの「対応」ばかり。そこが悲惨なのだ。

 日本マクドナルドを率いた原田泳幸氏(現・ベネッセホールディングス会長兼社長)は「ブランド価値は成長しているからこそ」と語っていた。確かに8年連続で既存店売上高が伸びているときは逆張りのメニューやサービスが光った。だが近年は市場変化の「後追い」に終始し、かつての輝きはない。

 フジテレビも根本問題であることは認識しているだろう。それは「笑っていいとも!」などを終わらせ、過去の成功体験との断絶を模索したことだ。だが破壊はしても創造ができない。赤字は出したが、まだ余力があり、リセットされない。それなら「笑っていいとも!」など過去の財産は残すべきだった。少子高齢化時代のブランド若返りは至難の業だ。

(編集委員 中村直文)

◇           ◇

■若者はテレビ離れ 主な視聴者は中高年や高齢者多く

 テレビを取り巻く環境は大きく変わっている。スマートフォン(スマホ)を使い、動画配信でドラマや映画を見る若者らが増え、テレビ離れが進んでいる。

 NHK放送文化研究所の2015年の調査「日本人とテレビ」によると、1日のテレビの視聴時間は1985年の調査開始以来、初めて短くなった。特に20~50代の幅広い年代で「ほとんど、まったく見ない」という人が大きく増えた。20代以下では半数以上が「テレビよりインターネット動画の方が面白い」と回答している。一方、1日に4時間以上視聴する人は、60代では5割、70歳以上では6割を占める。

 人口構成を考えても、テレビの主な視聴者は中高年や高齢者が多くなっている。視聴率を取るには世代を意識した番組づくりが必要で、テレビ局は知恵を絞る。

 15年秋のTBSのドラマ「下町ロケット」は、最終回に22.3%の視聴率をたたき出し、15年の民放の連ドラでは最高を記録した。主役に俳優の阿部寛さんを起用するなど配役が絶妙だったほか、「その時歴史が動いた」などで知られる元NHKの松平定知氏のナレーションは重厚さがあった。何より勧善懲悪のストーリーが、サラリーマンらの視聴者の共感を呼んだかもしれない。

 テレビ東京は個性的な番組で勝負する姿勢が鮮明だ。代表格は人気ドラマ「孤独のグルメ」。俳優の松重豊さんが知る人ぞ知るお店を訪れ食事をする極めてシンプルな内容だが、どこか味わい深さを感じる。首位を走る日本テレビ放送網も視聴者の研究に力を入れ、地道な改編を続けた結果、実を結んできている。

 フジテレビジョンの苦戦は、若い世代の価値観や、テレビを見る視聴者層の変遷の表裏とも言える。かつての民放の雄の復活の成否はテレビの未来に大きく影響する。
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マイケルと設立のATV、ソニーが完全子会社化

2016年 03月15日 20時27分提供元:読売新聞

 ソニーは15日、米子会社で音楽ビジネスを手がける音楽出版大手「ソニーATVミュージックパブリッシング」を完全子会社化すると発表した。
 故マイケル・ジャクソン氏の遺産管理団体が持つ50%の株を7億5000万ドル(約840億円)で買い取る。音楽配信サービスの拡大により、安定的な利益が見込める事業に成長すると判断した。
 ソニーATVは1995年にソニーとジャクソン氏が折半出資して設立した。ビートルズやローリング・ストーンズ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフトなど約200万曲の著作権を管理している。ソニーと財団は昨年9月から、持ち株比率の見直しを協議していた。31日までに最終契約を結ぶ。
 ソニーATVは、管理する楽曲がテレビやインターネットなどで使われる度に発生する著作権料を徴収し、作曲家らに印税を分配する。世界の音楽市場ではCDなどの販売が減少する一方、定額制の音楽配信サービスが急拡大しており、人気楽曲の再生回数が伸びれば安定した利益につながると判断した。
読売新聞
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ソフトバンク、米携帯反転へ全力 スプリントてこ入れ

17年度黒字化めざす 日本経済新聞  2016/03/03(木)

【オーバーランドパーク(カンザス州)=大和田尚孝】ソフトバンクグループは米携帯電話子会社スプリントの立て直しに向け、新規出店や業務効率化を加速させる。同社は契約件数で米通信大手4社の最下位。業績低迷が続き、ソフトバンクグループ最大の懸案となっている。従来の人員削減に加え、新たな改革で2017年度にも最終黒字化をめざす。

SOFTBANKsprinttekoire.jpg ここへ来て携帯電話などの解約率(プリペイドを除く)が改善するなど、持ち直しの兆しも出ているが、スプリントの業績は厳しい。15年10~12月期は、売上高が前年同期比10%減の81億700万ドル(約9200億円)、最終損益は8億3600万ドルの赤字(前年同期は23億7900万ドルの赤字)。6四半期連続の最終赤字となった。

 国内の携帯電話事業や連結子会社のヤフー、アジアのネット企業への投資などは順調に推移するソフトバンクグループにとって経営の重荷になっている。

 まず販売店網を強化する。スプリントは家電小売りの英ディクソンズ・カーフォンと提携し米国内で新規出店。17年までに500店増やし、6000店体制とする。7000店規模の店舗網を持つとされる米ベライゾン・コミュニケーションズと米AT&Tの2強を追う。集客を図るためソフトバンクグループのヒト型ロボット「ペッパー」の店舗導入も検討する。

 4月からは全米を18に分けた営業体制で地域の顧客ニーズにきめ細かく対応する。ヒスパニック系の来店者が多い店はスペイン語がわかる店員を多く配置するといった地域の特徴に応じた店作りをする。従来は4地域だったため柔軟な対応が取りにくかった。「昨年に先行導入したシカゴ地域では売り上げが50%以上伸びた」とマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)は明かす。

 18地域それぞれに事業統括の責任者を置き、迅速に意思決定できる体制を取る。責任者は「社内の人材のほか、TモバイルUSを含む競合3社から引き抜き任命した」(クラウレCEO)。

 通信料金プランを簡素化し、コスト削減と顧客満足度の改善を図る。多様なニーズに応えるため、現在100種類ほどのプランを用意しているが、年内にも10以下に減らす。数が多く複雑でわかりにくいという顧客の不満を解消すると同時に、コールセンターへの問い合わせや店舗での顧客応対時間を削減する。

 スプリントは1月に全社員の8%に当たる2500人の人員削減を発表。固定費を圧縮する一方、業務の効率化など750項目のコスト削減策も進め、毎週14時間かけて削減状況をチェックしている。このほど新たに250項目を追加した。1000超の効率化に取り組むことで「年20億ドル(約2300億円)以上のコスト削減を確実にしたい」(クラウレCEO)考えだ。
成長続く米市場に賭け  再建なら世界展開加速
 顧客獲得競争でライバルの後手に回った米スプリントは、ソフトバンクグループにとって赤字を垂れ流す「お荷物」となっていた。売却か自力再建か。強気で知られる孫正義社長も揺れたが、成長が続く米市場の将来性に賭ける。

 ソフトバンクは米携帯電話市場に参入するため2013年にスプリントを買収したが、いきなり目算が狂った。当初は同規模の米TモバイルUSも買収してスプリントと合併させ、米2強であるAT&Tとベライゾンに対抗する「第三勢力」を築く狙いだったが米当局の反対で頓挫。「電波がつながりにくい」「サービスが悪い」という従来のイメージも覆せずシェアを落とした。

 ただ、米国は先進国で人口増が続く数少ない成長市場。2強支配が強いものの第三極が伸びる余地はある。ソフトバンクのグローバル展開にとって不可欠と孫社長は判断した。

kuraureCEO.jpg そこで再建請負人としてマルセロ・クラウレ氏を最高経営責任者(CEO)に起用。ボリビア出身で、米国で携帯電話の卸商として成功した同氏の経営手腕を見込んでのことだ。

 スプリント再建に執念をみせる孫社長は「私が直接やって結果を出せなかったことはない。誇りにかけて反転させる」と繰り返し口にする。再建できれば、ソフトバンクは再び大型買収による「攻めの経営」に打って出る可能性が高そうだ。
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誰が言い出したんだ 攻防 携帯値下げ(ルポ迫真)

2016/3/2 3:30日本経済新聞 電子版

 昨年9月11日夕、首相官邸4階の大会議室。経済財政諮問会議の最終盤、企業の賃上げや投資拡大に触れていた首相の安倍晋三(61)の話が突然変わった。「携帯料金の家計負担の軽減は大きな課題だ。高市総務相は方策をしっかり検討してほしい」。異例の「官製値下げ」の幕が開いた。

□    □

 「まさに青天のへきれきだ」。最大手、NTTドコモ社長の加藤薫(64)は安倍発言に衝撃を受けたが、立ち直るのも早かった。「震源地はどこだ」。競合他社への顧客流出がようやく止まり反転攻勢に出る矢先に、収益源のスマートフォン(スマホ)をかき回されるわけにはいかない。

値下げの議論は骨抜きに(15年12月18日、高市総務相から「値下げ」要請書を受け取るドコモの加藤社長
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値下げの議論は骨抜きに(15年12月18日、高市総務相から「値下げ」要請書を受け取るドコモの加藤社長
 NTTには電電公社時代から政官に太いパイプがある。携帯を狙ったのはなぜか、挽回は可能か。ロビー活動をするにも的を絞るのが先決だ。グループを挙げた調査でたどり着いたのが、総務相の経験を持つ官房長官の菅義偉(67)周辺だった。

 安倍発言の少し前、菅は各府省の事務次官らにこう指示を飛ばしていた。「ビザ緩和は(訪日外国人の消費拡大に)効果があった。そういう成長戦略につながる新しい政策のタマを探せ」

 企業に雇用増や賃上げを働きかけてきたが、個人消費は思うように拡大しない。教育や通信など家計に占める固定費の高止まりが国民の財布のひもを固くしているのではないか。じれる菅に「携帯料金の引き下げはどうでしょうか」と打ち返してきたのが総務事務次官の桜井俊(62)だった。

 そう言えば、元財務事務次官(現JT会長)の丹呉泰健(64)が内閣官房参与だったとき「携帯代が高すぎて消費に回らない。低所得者でも1万~2万円を出さなくちゃいけないのは是正すべきですよ」と説いていた。「もっと安くしないと」との思いがあった菅は桜井に賛意を伝えた。

 経済財政諮問会議の3日後、総務相の高市早苗(54)は総合通信基盤局長の福岡徹(59)に値下げ策を年内にまとめるように指示。方向付けをするタスクフォース(作業部会)が10月半ばに始まる日程も見えてきた。それまでに筋書きを固めておきたい。NTTの巻き返しが始まった。

 「日本の携帯料金は世界的に見て決して高くありません」。ドコモ副社長の寺崎明(64)は菅に訴えた。総務審議官を務めた寺崎は菅と旧知の仲。携帯大手が大幅値下げすると総務省が旗振り役になって育ててきた格安スマホをつぶしかねないとも指摘したようだ。

 NTT社長の鵜浦博夫(67)はからめ手から攻めた。総務省内を仕切る福岡に告げた。「協力はします。我々としては慣行を見直すきっかけにしたい」。他社からスマホ契約を切り替えるよう促すためキャッシュバック(現金還元)などに頼る携帯販売を是正するという意味だ。同省はかねて携帯端末の過度の値引き販売を問題視していた。

 販売店がキャッシュバックなど値引きする際の原資になる奨励金が減れば携帯大手の収益にはプラスに働く。端末が実質値上げになる分は、携帯をあまり使わない高齢者など「ライトユーザー」向けに割高だった利用料金を引き下げる。これが落としどころだ。

□    □

 迎えた10月19日の作業部会第1回会合。高市の代理として大臣補佐官の太田直樹(48)が切り出した。「(携帯料金が)高くなったから安くするという単純な話ではない。高くても価値があれば当然、出費は増える」

 太田は透明性と公平性をポイントに挙げ、販売店の値引きの恩恵は頻繁に携帯会社を乗り換える人が主に受けていると指摘。議論のスタート時点で、力点が値下げそのものでなく不公平感の解消に変わっていた。

 今年1月初めにソフトバンクがデータ通信容量が少ないプランを月4900円で提供すると発表したのを皮切りに、ドコモとKDDI(au)も低料金プランで追随した。だが動画視聴など通信量は増加傾向で、どれだけニーズがあるか疑問符がつく。3社は端末の「実質ゼロ円販売」廃止でも足並みをそろえた。

 「収支への影響は最小にしたい」。1月29日、2015年4~12月期決算を発表したドコモの加藤は新施策の影響を問われ余裕をみせた。それが骨抜きになった値下げ劇の結末だった。(敬称略)



 スマホの国内普及率は5割を超す。暮らしに溶け込み、料金への関心も高い。値下げ論議は何を巻き起こし、誰が得をするのか。実相に迫る。
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シャープ追い詰めた「社徳」のなさ  編集委員 西條都夫

2016/3/1 6:30日本経済新聞 電子版

 人間に「人徳」「人望」があるように、会社にも「社徳」「社望」がある。社徳のある企業とは立派で尊敬され、だれもがその企業と取引したい、提携したいと思う存在である。逆に社徳のない企業とは自己中心的で威張っており、できれば付き合いたくない存在だ。

シャープはなぜ追い詰められたのか…(大阪市阿倍野区の本社)
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シャープはなぜ追い詰められたのか…(大阪市阿倍野区の本社)
 シャープの再建が迷走しているが、かつては液晶で一時代を築いた同社がなぜ追い詰められたのか。大型投資の失敗や経営陣の「無為」などいくつか理由があるが、「社徳のなさ」もその一因だったと思われる。日本企業は比較的行儀がよく、「他社の悪口は言わない」という不文律のごときものがあるが、シャープについては何人かの経営者からあからさまな悪口を耳にした。

■注文だけして対価払わず

 コマツのあるOBは1990年代の出来事を話してくれた。当時コマツは液晶製造装置を手掛けており、その最大の顧客がシャープだったが、いろいろと注文が多い。要は汎用スペックでは満足せず、シャープ向けの特別仕様をつくれとうるさいのだ。

筆者が注目した記事
・2月29日 日経新聞夕刊「シャープ、交渉期限の延長発表」
・2月28日 日経新聞朝刊「鴻海、債務精査を本格化、来月7日の契約めざす」
・2月17日発刊 日本経済新聞出版社『シャープ崩壊』
 コマツとしても最大顧客の要望は無視できず、人員や時間をかけてシャープのリクエストに応えるのだが、それについては何も対価を支払ってくれない。「洋服でもつるしの既製品とオーダーメードの特注品は値段が違うのが当たり前なのに…」とこのOBはいまだに納得いかない様子。

西條都夫(さいじょう・くにお) 87年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て編集局編集委員兼論説委員。専門分野は自動車・電機・企業経営全般・産業政策など。
西條都夫(さいじょう・くにお) 87年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て編集局編集委員兼論説委員。専門分野は自動車・電機・企業経営全般・産業政策など。
 それでどうしたか。元を取るためには仕方がない、ノウハウの詰まった液晶製造装置を海外企業も含む他メーカーにも拡販し、ビジネスとしての辻つまを合わせたという。もしシャープにもう少しサプライヤーの事情を思いやる度量があれば、技術流出が少なくて済んだかもしれない。

 同じ電機メーカーからも「シャープは付き合いにくい会社」という評判を聞いた。日立製作所のOBは不振だった自社の液晶事業の再編を打診するためにシャープを訪ねたことがあるが、「完全に上から目線の対応で、けんもほろろの扱いだった」と振り返る。

 このぐらいなら、まぁ「自信の表れ」ということでいいかもしれないが、東芝とソニーの場合はかなりひどい。

 日経記者が執筆した新刊の『シャープ崩壊』(日本経済新聞出版社)によると、2010年春ごろからソニーと東芝の幹部は「客をなんだと思っているんだ。あの会社(シャープ)だけは絶対許さない」と怒りの声を上げ始めたという。

■信頼より目先の利益優先

旧シャープ堺工場(堺市)
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旧シャープ堺工場(堺市)
 両社はシャープの堺工場(当時)から液晶パネルを購入する契約を結んでいたが、前年に導入された家電エコポイント制度の追い風で液晶テレビが飛ぶように売れ始めると、シャープは自社製テレビへの供給を優先し、ソニーと東芝への供給を制限したのだ。

 他社との信義や業界内での評判より、目先の売り上げやシェアを優先する。こんな振る舞いの結果、堺工場は有力な顧客を失い、エコポイント特需が終わると業績が悪化、最後は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループの出資を仰ぐことになった。

 シャープは一例にすぎない。自分が強い立場にいるからといって、横暴なことをすると、企業でも個人でもしっぺ返しが待ち受ける。「人に優しくすれば、人も優しくしてくれる。人に冷たくすれば、人からも冷たくされる」というのは子供向けの寓話(ぐうわ)の世界だけの真理ではないのである。
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